聖望学園vs能代松陽
聖望学園が19年ぶり夏勝利 頼れる右腕の好投と守備力の結集で聖地勝利掴む
岡部 大輝(聖望学園) ※写真は過去の大会より
トーナメント表
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<第104回全国高校野球選手権大会:聖望学園8-2能代松陽>◇10日◇1回戦◇甲子園
聖望学園(埼玉)の右腕エース・岡部 大輝投手(3年)が淡々とした冷静なクレバーな投球を見せ、能代松陽(秋田)に快勝した。9回を投げて110球、6安打2失点の完投勝利。実に丁寧な投球が夏甲子園の舞台で花開き、チームに19年ぶりの夏甲子園勝利をもたらした。
外角へ、直球と変化球を投げ分ける。基本的なことだが、ほぼこれだけで勝負するのも難しいが、岡部はそれをしっかりやってのけた。130キロ台後半の直球に、スライダー、カーブを微妙に外角へ出し入れする。直球もまた、微妙に動いているのか、能代松陽の打者がひっかける場面が目についた。打者からすればバットの芯に当てられそうで当てられない。捉えたと思ってもゴロになってしまう。能代松陽の打線が2巡した6回1死まではノーヒットだったが、ベンチ、選手はそんな感じだったのではないか。
ノーヒットだったとはいえ、当たり損ねのゴロも多かった。しかし、内野守備陣には、ほころびはなかった。難しいバウンドだったり、勢いのないゴロを処理する上で、少しでもミスをすれば簡単に一塁でアウトは取れない。確実でスピーディーなゴロさばきでアウトを重ねた。岡部の好投を引き出したのは内野守備陣の安定感だったともいえる。埼玉大会7試合で7失策しているチームとは思えなかった。
攻撃もチャンスをことごとく得点にして、じわじわと点差を広げていった。大柄な選手が多いわけではない。プロ注目の選手が中心というわけではないが、守備でも攻撃でも確実なプレーをする選手が集まった。タレントが豊富な埼玉大会で確実に白星を重ねて頂点をとった理由が分かった気がした。
(記事=浦田 由紀夫)