仙台六大学選抜vs宮城県高野連選抜
宮城県高野連選抜が仙台六大学選抜相手に大健闘!プロ注目・伊藤千浩は投打で躍動
3回無失点の好投を披露した伊藤千浩(東北)
<交流試合:仙台六大学選抜4-1高野連選抜>◇4日◇石巻市民
第104回全国高校野球選手権宮城大会の閉幕から8日後の8月4日。石巻市民球場で、宮城県高野連選抜と仙台六大学野球連盟選抜による交流試合が行われた。高野連選抜の結成は初の試みで、甲子園に出場する仙台育英や新型コロナの影響を受けた選手を除く高校3年生から、40人を選抜。2チームに分け、第1試合で仙台六大学1・2年生選抜と、第2試合で東北福祉大1・2年生と対戦した。
第1試合では、プロ注目の右腕・伊藤千浩投手(東北)が「4番・投手」で先発。初回、1死から連打でピンチを迎えるも、4番・秋田真内野手(東北学院大2年=札幌国際情報)、5番・佐久間永翔内野手(東北工業大1年=白石工)をいずれも直球で空振り三振に仕留める。2、3回は三者凡退に抑え、3回5奪三振無失点。「思っていたよりもストレートで押せて、自信につながった」と手応えを口にした。打っては、2回に仙台六大学選抜先発・石川岳人投手(東北学院大2年=石巻西)のスライダーを捉え、チーム初安打となる右前打をマーク。投打で結果を残すと、ベンチに退いた後も、大きな声を出し仲間を鼓舞した。
4回に1点を先制されると、6回は3番手・早坂海思投手(日本ウェルネス宮城)が芳賀慎之介内野手(仙台大1年=聖光学院)、佐久間に連続適時打を浴びリードを広げられる。7回には吉田達也外野手(東北福祉大1年=日大東北)がこの日4安打目となる適時打を放ち、仙台六大学選抜が4対0とした。
高野連選抜打線は仙台六大学選抜の投手陣の前に沈黙。8回まで石川、齋 賢矢投手(東北福祉大1年=仙台商)、篠村 大翔投手(宮城教育大1年=仙台一)、伊藤 理壱投手(東北工業大1年=仙台城南)と宮城の高校でプレーしていた4投手に、3安打無得点と抑え込まれた。
そんな流れを変えたのが、8回に5番手で登板した古川学園・三浦 龍政投手。エースとして同校の春、夏連続ベスト4に貢献した右腕が、下級生ながら今春のリーグ戦で規定打席に到達した鈴木 杜朗内野手(東北大2年=仙台二)、小林 三邦内野手(東北学院大2年=鶴岡東)から三振を奪うなど、三者凡退のイニングをつくった。三浦は「高校最後の試合ということで、楽しんで思い切り投げた。最後に最高のメンバーで野球ができてよかった」と笑顔だった。
すると9回、2死から三浦が右前打で出塁。続く仙台高専名取・鈴木 悠人捕手が特大の適時二塁打を放ち、大学生から待望の1点をもぎ取った。今夏、「4番・捕手」としてチームをベスト16に導いた鈴木は、高専からは唯一の選出。会心の一打に「うまい選手ばかりでプレッシャーはあったけど、緊張感の中でいいプレーができた」と胸をなで下ろした。
反撃はここまでだったが、仙台六大学選抜の打線を4得点に抑え、終盤には見せ場をつくった高野連選抜。「他のチームと交流ができて、野球の楽しさを感じ気持ちを高めることができた。これからも、上のレベルでみんなで頑張っていきたい」(伊藤千浩)。高校生たちにとって、忘れられない一戦になった。
(文・写真=川浪康太郎)