試合レポート

西武台vs叡明

2022.04.24

西武台打線活発。15安打を放ち7回コールドで初戦突破!

西武台vs叡明 | 高校野球ドットコム
渡邊 新太投手(西武台)

 <春季高校野球埼玉大会:西武台10-2叡明>◇23日◇1回戦◇県営大宮

 今年もこの季節がやってきた。
 第一試合はMAX143km右腕・渡邊新太(3年)を擁する西武台叡明との一戦である。

 西武台叡明共に秋から打順や守備位置が大幅に変更している。

 西武台は1番の金田幸大(2年)が遊撃手から三塁手へコンバートされ、2番・遊撃には守備も良く足もある太田誉(2年)が入る。秋2番であった岩本大瑚(3年)が3番に入り、秋4番の渡邊はあまり打撃練習をしていないということで7番へ下がり、4番には秋6番の青山廣大(3年)が、秋7番の内藤暖稀(3年)が5番に上がる。ケガの捕手・一郷瑠輝(3年)の代わりに8番には松山奏乃伸(3年)が入る布陣となった。

 叡明は、1、2番に2年生の日坂元翔、篠蔵之介が入り、秋5番の大橋達貴(3年)が4番に上がる。5番には西村凰星(3年)が入り、秋2番の渡部昴汰(3年)が7番へ、8番には2年生の安原遼友(2年)が入る。これに伴い守備位置も多少変更している。

 先発は西武台が前述の渡邊、叡明が2年生の野中颯人と両エースが先発し試合が始まる。叡明・野中はインステップするフォームから回転数の多い直球を序盤からテンポ良く投げ込む投手だ。昨秋の昌平戦でも敗れはしたが3失点完投している。

 この両者は練習試合を行なっており、その時は叡明が3対2で勝利したが今回はどうか。

 試合序盤は叡明ペースだった。叡明打線は初回、西武台・渡邊の立ち上がりを攻め、1死から2番・篠が右越えの二塁打を放ち出塁すると、2死後後続が倒れ無得点に終わる。

 試合の流れが変わり始めたのは3回表からだ。打順が2巡目を迎えた西武台打線は、2死から1番・金田が「(本塁打は)狙ってないです。ヒット1本打ってチームに勢いをつけようとバットを短く持ってコンパクトにヒットを打とうと心掛けた結果です」と右翼席へ打った瞬間、それと分かる特大ソロ本塁打を放ち1点を先制する。

 これで、やや緊張感の取れた西武台は4回表にも、この回先頭の青山が左翼線へ二塁打を放ち出塁すると、続く内藤も左翼線へ適時二塁打を放ちまず1点、2死後、8番・松山が中前へ適時打を放ち3点差をつける。


 3点差をつけ勢いに乗った西武台は、5回表にもこの回先頭・太田の遊撃ゴロが遊撃手の拙い守備もあり内野安打になると、続く岩本も右前安打を放ち、一走・太田は三塁へ。さらに打者走者・岩本も送球間に二塁へと進み無死二、三塁とチャンスを広げる。

 1死後、5番・内藤の遊撃ゴロが相手の野選を呼びまず1点、さらに続く杉本誉士(2年)も右前適時打を放ちこの回2点目を奪い5対0とする。攻撃はさらに続き1死一、二塁から7番・渡邊が一塁手強襲の適時打を放つと、続く松山もスクイズを決め結局この回一挙4点のビックイニングを作り、7点差をつけコールドペースへ持ち込み勝負の大勢は決した。

 西武台は6回表にも3長短打を集め、4番・青山の犠飛と6番・杉本のタイムリーで2点を追加し9対0とする。
 一方、叡明の反撃はその裏、この回代打攻勢を仕掛け1死から代打・星野航輝(3年)が右前安打を放ち出塁すると、続く代打、本来は控えの投手である下山昴輝(3年)が右翼席へ2ラン本塁打を放ち2対9とするが反撃もそこまで。

 7回にも1点を追加した西武台、投げては西武台のエース渡邊が球の走りは良くなかったが、悪いなりに7回被安打6の2失点にまとめる投球を披露する。

 結局、7回コールドで西武台が10対2で叡明を下し初戦を突破した。

 叡明の中村監督は「打力は爆発的なものがないので、守っていって終盤勝負だよとは言っていたんですが若いチームなので」とこの日の展開を嘆いていた。エース野中を含め序盤は良い試合の入り方を見せたが、相手打線の2巡目以降の変化に対しやや後手に回ってしまった。中村監督は「今年のチームは守備のチーム」と標榜するだけにこの日のショートやバッテリーの見えないミスが積み重なり大量失点を喫した。

 西武台のエース渡邊はこの日、球は走っていなかった。それでも悪いなりにまとめるあたりはさすがだ。打線は特に2年生が活発で振れており機動力も使える。どこからでも長打が出るだけに今後は投手陣次第か。次の試合は他の投手が出てくる可能性もある。

 「エンドランやスクイズなどサインに関しては9割以上対応できていた。ずっと第1試合が続くという恵まれた状況なので総力戦で行きます」と河野監督は言うが、要所でエース渡邊が登板することに違いない。エースの早期復活に期待したい。

(取材=南 英博

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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