明大中野vs東洋
フィジカル徹底強化の明大中野。右方向意識で5回コールド勝ち
コールドを決める長打を放った小島大地(明大中野)
<春季東京都高校野球大会:明大中野10-0東洋(5回コールド)>◇2日◇1回戦◇都営駒沢
今春の東京都で、注目度が急上昇している学校の1つが明大中野だ。
ブロック予選では圧倒的な大差で勝利。もちろん相手のレベル差もあるかもしれないが、何よりフィジカルを徹底的に強化し、高校生としては上級の体格をした選手が非常に多い。
特に3番〜6番の体格が凄い。
3番遊撃手・阿保 快人 172センチ、78キロ
4番左翼手・加藤 千晴 179センチ、80キロ
5番捕手・加藤 健太郎 179センチ、80キロ
6番一塁手・小島 大地 180センチ、81キロ
グラウンドに立った時の存在感が凄い。シートノックを見ても選手たちの送球の力強さを見ると、フィジカル強化の成果が感じられる。岡本監督によると、選手たちは明大中野南野グラウンドの脇にあるトレーニング場で、グラウンドでの練習、トレーニングなど班分けをしながら、強化をしてきた。岡本監督はここまで選手のパワーアップが実現したのは単に、ウエイトトレーニングのメニューを多めにしただけではないという。
「選手たちの意識が変わった。どうすれば体が大きくなれるのか、パワーアップできるのかを自発的に取り組める選手が多かったと思います」
1回裏、いきなり4番・加藤 千晴の左前適時打で1点を先制。さらに3回裏には、加藤 千晴、加藤 健太郎の連続適時打で3対0とした。4回までフライアウトが多く、岡本監督は「引っ張る意識と長打を打ちたい思いが強く、打ち上げる打球が多く、このままではいけないから、右方向を意識させました」
すると5回裏、4番加藤 千晴の右前安打や、先発投手で俊足の松田 宗大投手(2年)のバントヒットや、1番吉野 修平内野手の右方向への適時二塁打などで次々と追加点を入れる。岡本監督は「この試合では一番ナイスバッティングという内容でした」と評価。その後も追加点を入れ、最後は6番小島の右中間を破る長打で10対0と5回コールド勝ちを決めた。
岡本監督は「4回までフライが多い内容だといけないですね。もちろんしっかりと振ることは大事なんですけど、打ち上げてしまうと、広い球場だと、フライになってアウトになってしまう。まずは確実に点を取ることが大事なんだよということを話を伝えました」
まずはどう得点を取るか。センバツで優勝した大阪桐蔭も11本塁打で注目されるが、逆方向へのヒットで着実に点を重ね、またバントで着実に進める試合運びの上手さも目立った。明大中野はクリーンアップは非常に凄く、ブロック予選後の練習試合でも本塁打を連発しているようだ。特に冒頭で紹介した3番〜6番打者のポテンシャルは素晴らしく、弾道が高いフライを打てる。注目の逸材だろう。
修徳と同じブロックだが、いずれにしても東東京注目のチームに入るだろう。
(取材=河嶋 宗一)