高知vs東洋大姫路
トーナメント表
・浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
・大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ
東洋大姫路エース森、果敢な内角攻めも高知打線が一枚上手
森健人(東洋大姫路)
<第94回選抜高校野球:高知4-2東洋大姫路>◇21日◇1回戦◇甲子園
「正直、もう少し打てるかなと思っていました。山下君の術中にはまって、攻略しきれなかった後悔が残っています。(最後に見ていたのは)バックスクリーンですね。試合の結果が目に移りました」
終盤の追い上げも届かず、東洋大姫路(兵庫)は藤田明彦監督の勇退に勝利を添えることはできなかった。
立ち上がりから東洋大姫路の先発・22876投手(3年)、高知の先発・山下圭太投手(3年)の投げ合いとなった。森は直球の切れと制球力が高く、インコースを果敢に突く場面が初回から目立ち、また山下も変化球を上手くコースに投げ分けてスコアボードに「0」を並べていった。
試合が動いたのは中盤、高知は、5回に1番・山下の適時二塁打などで3点を先制し、さらに6回にも相手のミスで追加点。4対0と点差を広げた。
東洋大姫路も、8回に1死二、三塁から4番・山根昂介外野手(3年)が適時二塁打を放って点差を2点に詰めたが、6回から登板した中嶋奏輔投手(2年)が粘り強く後続を立ち、最終回には背番号10の日野灯投手(3年)が登板。高知は小刻みな継投で東洋大姫路の追い上げを振り切り、4対2で勝利して2回戦進出を決めた。
東洋大姫路の藤田監督は、これで2期にわたる通算19年の監督生活にピリオドを打った。試合後には、「能力そのものは決して高くはない。それでも全力でやりきっている姿はうれしく思って、ベンチから見ていました。東洋大姫路は20回甲子園に行っているが、春夏連続出場は1回しかない。何とか夏も出てもらって、アルプスで応援したいと選手には伝えたい」と語り、選手たちを労った。
また、甲子園の舞台で監督生活を終えたことについて聞かれると、「17歳で甲子園に初めてきて、高校生の頃が思い浮かんだ。母校のユニフォームを着て終われたことは、私にとって感無量。すばらしい野球人生を送らせてもらった。そんな思いが今日特に強くなった」と思いを口にした。
(記事:栗崎 祐太朗)