日本ウェルネスvs獨協
1次予選のトーナメント表
・日大二、都立日野などが属する第1〜6ブロック
・世田谷学園などが属する第7〜12ブロック
・日本学園などが属する第13〜18ブロック
・城西大城西、日大豊山などが属する第19〜24ブロック
好守に力を示した日本ウェルネスが21点を奪う大勝で本大会進出
2本の二塁打を放ちセンスの良さを示した・日本ウェルネス・萩君
近年は東京都大会でもベスト16など、比較的上位に残り、存在を示している日本ウェルネス。母体は学校法人タイケン学園で大学から専門学校、高校に加えて保育園や教育研究機関、福祉事業施設もあるという一大学校法人だ。大学は、首都大学連盟2部に所属して1部昇格を目指している。
この通信単位制の高校チームを率いるのは磯口 洋成監督。かつては岩倉を甲子園出場に導いている実績もある。その後、6年間故郷の福岡に戻り常磐でも指導していたが、昨春、東京に戻り8月から日本ウェルネスで指導をしている。
対する獨協は、やはり首都大学連盟に所属している獨協大の系列校である。もっとも、高校は特に野球部を強化しているというものではない。普通に入学してきた生徒たちで、野球をしたいという生徒たちが集まって行っているという感じの野球部である。
そんな両校の対戦となった。
前日来の雨の影響でグラウンド整備が手間取って、試合開始が予定より1時間ほど遅れて11時過ぎのプレーボールとなった。自力で上回る日本ウェルネスは初回、先頭の萩の二塁打から始まって、二塁打2本を含む5安打に飛球失策も絡んで5点を奪う。さらに、3回にも1死二塁から7番佐藤 奏太のタイムリー打で加点。
日本ウェルネスのリードで試合は進んでいったが4回、獨協も3番大木が左翼越えの1発を放って一矢を報いた。それでも磯口監督は、「前の試合で相手を見た時に、3番と4番のバッテリーの子は、振りも鋭いし、ここは打たれても仕方がないだろうと考えていたので、このホームランも想定内ということだった」と、先発桜木にも本塁打を打たれたことで慌てたり動揺したりはしないようにと言う指示だけはしていたという。
そして、却ってそれが引き金となったか。4回には何と打者三巡に至る19人で長打5本12安打、8連続得点、5連続得点などで大量15点が入った。日本ウェルネスとしては、大量点を奪ったが、攻撃そのものは雑にならずに、きっちりとそれぞれが自分の打撃をしていった姿勢もよかった。
体調がすぐれず、代打での出場となった主将の谷口も起用に応えてタイムリーを放った。「あの子は、人間的にもしっかりしていて、自分が出られない時でも、チームとしてのことをしっかりと考えている選手」と磯口監督の評価も高いが、そういう選手がしっかりと代打でも仕事をするところに、チームとしての層の厚さを示していると言っていいであろう。
投手は、桜木が4イニング投げて4番、3番に長打を打たれはしたものの1失点で抑えた。さらに、リリーフした15番をつけている鍵は3人できちっと抑えて、しっかりと投げられるところを示した。これだけ力のある日本ウェルネスなのだが、昨秋はブロック初戦で関東一と当たってしまって敗れた。実は、磯口監督が就任して早々に関東一に練習試合を依頼して試合をしたということだが、「まさか、同じブロックで当たるとは思ってもいないからね、試合後は米澤監督からもこの子たちにアドバイスもしてもらっていたんだけれどもね。それが秋の初戦で当たるんだからね(苦笑)」
その敗退から半年後、こうして大差でブロックを勝ち上がり本大会進出を決めた。この春、ちょっと台風の目になっていきそうな雰囲気も十分に感じさせてくれる存在になりそうだ。
(記事:手束 仁)
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・日大二、都立日野などが属する第1〜6ブロック
・世田谷学園などが属する第7〜12ブロック
・日本学園などが属する第13〜18ブロック
・城西大城西、日大豊山などが属する第19〜24ブロック
意地の一発を放った獨協・大木君
初回に、先頭で二塁打を放った日本ウェルネス・萩君
初回に2点目のホームインをした日本ウェルネス・カマラ君