明大中野vs都立葛西工
ヘラクレス軍団に変貌した明大中野 パワーで都立葛西工を圧倒
明大中野・吉田渉
明大中野の選手の体つきをみて驚いた。どの選手も体が大きくなり、ガッチリしている。「筋トレは随分やりました」と岡本良雄監督は言う。捕手の加藤健太郎はベンチプレスを120キロ上げられるようになり、逆三角の胸板は、ユニホームを着ていても分かるほどだった。
筋力アップの成果で、打球が速くなり、鋭さをました。対する都立葛西工は部員10人で、中学生の時に野球経験のある選手は4人だけ。したがって、力の差があるのは仕方ないことで、そうした事情を勘案しても、やはり明大中野のパワーは圧巻だった。
1回裏、明大中野は3番・阿保快人の二塁打など6安打を集めるなど、5点を先制した。明大中野は2回裏に4点、3回裏にも6本の長打を集中し11点を挙げた。さらに4回裏にも7点を入れる。それでも葛飾工の選手たちは、必死に球を追いかけた。「最後まで前を向いて、笑顔でベンチに戻ってきました」と葛西工の児島諒監督は語る。
明大中野は右の吉田渉投手を先発させ、左の松田宗大投手が締めた。葛西工の安打は、2回に放った5番の上田明主藍の中前安打1本のみ。明大中野はこの試合は投げていないが、身長186センチの2年生・中村海斗投手がおり、球は中村が一番速いという。また3番打者で遊撃手で主将の阿保快人も投げる。コントロールがいいのは阿保だそうだ。いずれにしても、投手陣も豊富だ。
明るい性格でチームを盛り上げる阿保は、京葉ボーイズ出身。この春センバツに出場する國學院久我山の齋藤誠賢外野手(3年)、大阪桐蔭の海老根優大外野手(3年)とチームメートであった。「意識します」と阿保。それだけに、夏に向けての思いは強い。まだ春の1次予選の初戦が終わった段階だが、今年の明大中野は注目だ。
一方、敗れた葛西工の主将でエースとして途中から登板した福島夢翔投手は、「チームで支え合うことはできました。でも悔しいです」と。語る。負けて当然ではなく、悔しいという思いがあることは大切だ。新1年生がはいり、チーム力を上げていくことを期待した。
(記事:大島 裕史)
[page_break:試合シーン]マウンドに集まる葛西工
葛西工・益子治也
葛西工・福島夢翔