都立拝島vs都立瑞穂農芸
この試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています
1次予選のトーナメント表
・日大二、都立日野などが属する第1〜6ブロック
・世田谷学園などが属する第7〜12ブロック
・日本学園などが属する第13〜18ブロック
・城西大城西、日大豊山などが属する第19〜24ブロック
乱戦ながらも投手は踏ん張った、拝島が瑞穂農芸を制す
拝島・小沢優心
全国に先駆けて、この日から始まった東京都の公式戦。春季大会の1次ブロック予選は、感染防止対策を実施しながら、各校グラウンドで開催されている。各校ともコロナ禍で、十分な練習はできていないという現実は否めない。それでも、やれる範囲の中で、やって行こうという姿勢である。
瑞穂農芸は11人、拝島は10人で挑んだこの大会。ともに、チームとしてもギリギリの人数で活動している両校だ。それでも、試合ができる喜びに弾けながら、シーズン最初の公式戦に挑んでいた。スコアとしては大味だったかもしれないけれども、そんな思いは十分に伝わってくる試合でもあった。
スコアは7回コールドゲームで15対8。14イニングのスコアボードには「0」のイニングが両チーム合わせて4つしかない。まさに点の入れ合いだった。ただでさえ練習環境としては十分ではない中で、コロナによる制限で、不十分な練習量だったということもあるだろう。だから、取れるアウトが取れなかったり、不用意に余分な塁を与えてしまったり、高い飛球を捕れずで安打にしてしまうというようなシーンも多々あった。
それでも、瑞穂農芸の石井、拝島の高橋の両投手は、もちろん四死球を与えることもあったが、どちらも押し出しの失点がなかったということで、試合そのものはスコアの割には、きちんとまとまっていたという印象でもあった。
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1次予選のトーナメント表
・日大二、都立日野などが属する第1〜6ブロック
・世田谷学園などが属する第7〜12ブロック
・日本学園などが属する第13〜18ブロック
・城西大城西、日大豊山などが属する第19〜24ブロック
5回に本塁打を放って三塁を回る瑞穂農芸・石井
初回に拝島は1番小野、4番小沢の長打などで4点。2回にも小沢が右越え三塁打を放って2者をかえすなどリードを広げていった。しかし、瑞穂農芸も5回に先頭のエースで4番の石井が左越えソロホーマーを放って勢いづくと、四球や相手の乱れもあって一気に5点を返して追い上げた。
もっとも、その裏には拝島は種藤の犠飛などで4点を奪い、6回は9番江森が中前打で出ると盗塁とバントなどで三塁へ進み、暴投で生還。そして、7回を高橋が3人で抑えて7点差のコールドゲームが成立した。
それでも、瑞穂農芸は最後までベンチは賑やかで、野球をやれていることが嬉しいという雰囲気があふれていた。併殺が取れなくても、「大丈夫だ、練習通りのことしかやれていないんだから、それでいいよ」。瑞穂農芸の8番百目鬼はラッキー打も含めて2本のタイムリー打を放って、一塁ベース上に立つと、「ナイスだよ、そこは喜んでいいところだぞ!」とか、初めて「0」イニングを記録すると、「OK、OKやれるじゃないか。いいよ!」とベンチも盛り上がっていた。
もちろん、技術的にはおぼつかないところもたくさんあったことは否めない。だけど、「プレーすることが楽しい」という、そんな野球の原点を感じさせてくれた雰囲気もあって、何だかとてもよかった。それは、両投手が、ある程度しっかりとストライクを投げて打たせていっていたからだとも言えよう。
拝島は、4番小沢、5番種藤が2人合わせて200キロ超という重量級だが、この2人が3本の長打を含む4安打で5打点と、クリーンアップとしての任を果たしていた。
必ずしも勝利至上主義ではない高校野球も、こうして全国のすそ野でしっかりと活動している。そして、プレーする選手たちはみんな生き生きとして楽しんでいる。そういう雰囲気が穏やかな春の陽射しの中でまぶしく映っていた。
(記事:手束 仁)
1次予選のトーナメント表
・日大二、都立日野などが属する第1〜6ブロック
・世田谷学園などが属する第7〜12ブロック
・日本学園などが属する第13〜18ブロック
・城西大城西、日大豊山などが属する第19〜24ブロック
拝島・高橋旺甫
瑞穂農芸・石井陽
拝島・瑞穂農芸