九州国際大付vs日大三島
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香西が2試合連続1失点完投!九州国際大付が日大三島に競り勝つ
九州国際大付
香西一希
九州地区代表の九州国際大付(福岡)が東海地区代表の日大三島(静岡)に競り勝ち、ベスト4進出を決めた。
九州大会を4試合43得点の猛打で勝ち上がった九州国際大付は序盤からその打力を見せつける。2回裏に3安打で一死満塁のチャンスを作ると、8番・香西一希投手(2年)の右犠飛で1点を先制。3回表に同点とされたが、その裏に「強いスイングを心がけて打席に立った」と3番・大島諄士外野手(2年)が二死からレフトにソロ本塁打を放ち、再びリードを奪うことに成功した。
しかし、日大三島も先発の松永陽登投手(2年)が低めを丁寧に突く投球を見せ、4回以降は2安打と強打の九州国際大付打線を封じこむ。
打線爆発とならなかった九州国際大付だが、この日はエース・香西の投球が光った。「スライダーがしっかり低めに狙ったところに投げられた」とストレートの球速は130キロ台前半ながら巧みな投球術で相手を翻弄した。
6回以降は毎回先頭打者の出塁を許したが、「長打を打たれないように、とにかく低めに投げて、カウントが悪くなっても一塁が空いていたら歩かせてもいいんだという気持ちで大胆に攻めることができました」と得点圏に走者を背負ってからの投球は見事だった。
1点のリードを守り切った九州国際大付が2対1で勝利。23日の準決勝にコマを進めた。打ち勝つ野球で九州大会を制した九州国際大付だが、今大会は香西が2試合連続で1失点完投と守り勝つ野球が目立つ。
その裏には捕手で主将の野田海人(2年)の存在が大きいようで、「ピッチャーの香西を上手くリードして、周りも見られるようになってきているので、素晴らしいと思います」と楠城徹監督も高く評価している。
準決勝では近畿地区代表の大阪桐蔭と対戦する。「全てにおいてレベルが高いチームなので、自分たちもミスなく、思い切って楽しみたいと思います」と香西は優勝候補との対戦に心躍らせている様子。次戦は来春のセンバツを占う上でも注目の一戦となりそうだ。
敗れた日大三島も、力は出し切ったと言えるだろう。「新チームを作った時からかなり成長していますので、試合は敗れましたけど、最初から見ている自分としては非常によくできたんじゃないかなと思っています」と永田裕治監督も選手たちの成長を讃えていた。
報徳学園で甲子園優勝経験のある永田監督が昨年就任して、急速に力を付けてきた日大三島。再三のチャンスを活かせず、決定力不足に課題を残したが、攻守に組織力の高さが光っており、これからの成長が楽しみなチームだと感じさせられた。38年ぶりの出場がほぼ確実となる来春のセンバツではどんな戦いを見せてくれるだろうか。
(記事=馬場 遼)
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ホームランを打った九州国際大付・大島諄士
日大三島・松永陽登