名古屋国際vs半田
好守相次ぐ緊迫の勝負は、8回に名古屋国際が半田を突き放す
ここ数年の中では、もっともチーム力があるのではないかという半田。この春の全尾張大会知多予選では、長年の壁でもあった大府を下して本大会進出も果たした。前任の後藤 浩介監督が杏和への異動ということで、県高野連の理事でもあり部長を務めていた石黒 薫監督がこの4月から就任して、そのチームを引き継いでいる。このチームは昨秋も今春も県大会に進出も果たしている。今春は、享栄には力負けしたものの、初戦は突破しており、ある程度の手ごたえはあるチームとなっている。初戦は粘る安城東を振り切った。
名古屋国際は名古屋商科大の系列校でもあり、かつては名商大附という校名で1960年代後半から70年代には県大会上位にも食い込んでいた。その後は一時低迷期もあったが、現校名となってからも、2009年と12年秋にはベスト4進出を果たしている。昨秋の県大会は初戦で中京大中京に敗れ、今春は名古屋地区二次トーナメントから県大会進出を果たしたが、初戦で至学館に敗れている。この夏は、初戦で南山を下しての進出である。
チーム力は互角かなと思われた。名古屋国際は左腕原田、半田は岩山の両投手の出来が勝負を分けるのかなという感じだった。
先制したのは半田で3回、一死から四球と連続死球で満塁とする。そして、2番岩山が中犠飛を放って、ここまでまだ無安打ながら1点を奪った。もちろん、半田としてはこの1点だけでは、まだ心もとない。だけど、なかなか原田を打ち崩せない。また、名古屋国際は1年生の遊撃手の榑松や左翼手の豊田健杜らの好守も光っていた。難しい打球を巧みに処理して、原田を助けていた。
そして5回、名古屋国際は1番からの好打順で、榑松が中前打で出ると、四球とバントで一死二、三塁。ここで、4番齋藤悠が同点の中犠飛を放った。
半田は5回に7番竹内が左越え二塁打を放ち、これが初安打となったが後続は原田に抑えられた。榊原の左翼線を抜けるかという打球も豊田に好捕された。さらに6回も半田は一死から川尻が右中間を鋭く破る三塁打を放ったが、スクイズが投手正面を突いて本塁アウト。絶好のチャンスを潰してしまった。
そして8回の名古屋国際、四球と山崎君の中前打で一死一、二塁となったところで、7番豊田 竜成の左翼線二塁打でついにリードした。さらに、一死二、三塁で代打田邉の二塁ゴロの間に三塁走者がかえり3点目が入った。そして、このリードを原田がしっかりとキープ。9回も榑松の好守などもあって、まさに、名古屋国際が守り勝ったという形になった。
半田としては、結果としては打てなさ過ぎたということになった。岩山も、春のいい時よりはやや制球にもムラがあったという印象だった。
試合としては、両校無失策。いいリズムの試合だったということは言えるのではないだろうか。
(取材=手束 仁)