秀明英光vs大宮
秀明英光がシード校としての力を示して5回コールド勝ち
春季県大会では3回戦まで進出してベスト16に残り、この夏のシード権を獲得している秀明英光。期待を胸に抱いて迎えた夏の初戦だ。丁度10年前に、ベスト8に進出を果たしているが、チームとしてもまずは、そこを目標としているという。
そのシード校に春は南部地区予選の初戦で大敗してしまった名門校の大宮が挑む形となった。大宮は、かつては甲子園出場を果たした実績もあるが、現在は県立校としては理数科などが県内1の高偏差値と言われている進学校でもある。
秀明英光は、今年はエースの岩井君がストレートは140キロ台半ばをマークするという速球派として注目されている。この日も、何球団かはプロのスカウトも訪れていたようだった。
その岩井君、この日は5イニングで被安打1、四球1で無失点。しかも、2つのけん制アウトなどもあって、終わってみたら毎回3人ずつの15人で終えていた。
そして、打線は、初回は2四球と暴投と失策絡みで無安打で2点を先制。2回には二死走者なしから連続四球と2番清水君のタイムリーで加点。さらに4回には3番大賀君の二塁打などで4点。5回にも1番伊藤 翔君の三塁打や失策、暴投など相手のミスもあって10点目が入りコールドゲームが成立した。
それでも、秋山剛一監督は慎重だった。
「初戦でもありますから、やはり、試合の入りには気を使いました。それに、ここ2週間は雨もあってほとんどグラウンドでの練習が出来ていませんでしたから、立ち上がりは振りが鈍かったですね。一つひとつしっかりと戦っていきたいと思っていますが、チームとしては10年前を超えたいという思いはあります」
また、岩井君に関しては、「入ってきた時は線が細くて、どうなるのかなと思ったのですが、身体は大きくなって、球の力も上がってきました。ただ、もう一回り、二回り大きくなってほしいなと言う思いもあります」という思いだった。
秀明英光は、各学年15人平均で現在47人。学校から自転車で7分くらいの所に河川敷ながら専用球場を有しているという。近年の埼玉県は、新鋭私学の台頭が著しいだけに、秀明英光としては、「何とか上位進出して、もっと皆さんに知って戴いて、学校の存在もアピールしていきたい」という思いも強い。この夏は、その大きなチャンスとも言えそうだ。
(文=手束 仁)