試合レポート

青山学院vs立志舎

2021.07.13

2年ぶりの夏の大会で完封発進 138キロ右腕・中山脩悟主将が快投

青山学院vs立志舎 | 高校野球ドットコム
中山脩悟(青山学院)※写真は今春の都大会より

 青山学院と立志舍による2回戦は、2対0で青山学院に軍配が上がった。

 試合は0対0で迎えた2回、青山学院は2つの死球からチャンスを作る。ここで9番・長谷山武志立志舎先発・解良悠輔からタイムリーを放ち、青山学院に先制点が入った。

 さらに4回には5番・片岡龍哉の二塁打と6番・中山涼の送りバントで一死三塁を作る。ここで、7番・吉田弘真がきっちりスクイズを決めて、青山学院が2対0と立志舎に対して、さらにリードを広げた。

 2点のリードをもらった青山学院のマウンドには、エース・中山脩悟がマウンドに上がっていた。
 中学時代は世田谷西シニアでプレーした実績をもつ。大谷翔平を意識しているという投球フォームから、最速138キロを計測する真っ直ぐを軸に投げ込む。滑らかで安定感のある投球フォームで、ボールにもまとまりがある。

 そんな中山は、「強打者相手にかわす投球では抑えられない」ということから力押しのピッチングを信条に打者に強い気持ちで向かっていく。時折見せるガッツポーズなど、気持ちを全面に出すところも魅力の1つだ。

 中山の力投もあり、立志舎のスコアボードには0が並んでいく。そして9回、立志舍の最後の打者を抑えてゲームセット。2対0の完封で青山学院が立志舍から勝利を手にした。

 勝った青山学院だが、秋と春の都大会には出場しているものの、昨夏の独自大会は出場を辞退している。この大会は2年ぶりの夏であり、昨年から主将だった中山をはじめとした3年生たちにとっては、いつも以上に特別な夏だった。
 「去年は大会に出場できると思っていたので、その時は悔しかったです。みんなにも『申し訳ない。けど、下向かずに上を向いてやっていこう』と声をかけてきました」(中山主将)

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 集大成の夏こそと思い、青山学院は練習を重ねてきた。秋と春の大会も経験しながら成長を重ねていくと、守備でのエラーは減り、攻撃でも小技を使った攻め方を覚えた。そして何より、声掛けが出来るようになってきたことを中山主将、茂久田監督ともに1年間の成長点として挙げた。

 そんな選手たちを後押ししようと、大会直前にはOBたちからメッセージをもらったとのこと。それをみて「泣いている選手もいましたね」と心揺さぶられた選手が多かったようだ。だからこそ、周りからの期待を強く感じ「緊張している様子が伝わってきました」と、指揮官の茂久田監督が選手たちの様子を見てもわかるほど、大会への思い入れが強くなっていた。

 そうしたなか、立志舎と戦いで、エース・中山の好投により勝利を手にすることが出来た。勝利に大きく貢献した中山も「OBや保護者、学校関係者の方に向けて。そして、目標の甲子園出場へいいスタートが切れたと思います」とホッとした様子だった。

 中山たちの世代は『前代未聞』の世代だと言われてきたとのこと。たしかに新型コロナウイルスの影響で、まさに前代未聞の事態になっているから無理もない。ただ、その分だけ多くのことを経験し、立志舎から勝利を掴むことが出来た。2年ぶりの夏の大会で前代未聞の旋風を巻き起こすことが出来るか。青山学院の今後の戦いにも注目したい。

(取材=田中 裕毅

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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