修徳vs都立雪谷
修徳・床枝魁斗が完封飾る 都立雪谷は次世代の逸材が快投
修徳・床枝魁斗 ※写真は今春の都大会より
どちらも甲子園出場実績をもつ修徳と都立雪谷の両チームが2回戦で激突した。平日にもかかわらず多くの観客、報道陣も集まった。
多くの観客が注目するなか、試合は2回、修徳が4番・佐藤大空のヒットからチャンスを作ると、6番・牧野颯太のタイムリーで先制に成功する。さらに3回にも1番・間島玉喜の追加点となるタイムリーで修徳が2対0とした。
この2点を追いかけて都立雪谷は再三チャンスを作ったが、ホームを踏むことは出来ず。修徳の注目右腕・床枝魁斗が都立雪谷を完封し、修徳が3回戦進出を決めた。
「初戦ということもあり、硬くなってしまいました」と床枝は振り返ったが、回を重ねるごとに安定した投球を見せた。自身が目指す勝てる投手としての役割を十分に果たした。「仲間と一緒に成長出来るように頑張ります」と次戦へさらなる成長を誓った床枝のピッチングに期待したい。
そして敗れた都立雪谷は、床枝の情報を集め「マシンは150キロに設定して、手投げも手前から投げてもらいました」と対策もしっかりと立ててきた。その成果もあってか、確実に床枝のボールを捉えていた。その点に関しては「やろうとしてきたことは出来ましたし、役割を果たせていたと思います」と伊達監督は選手たちの頑張りを評価した。
それでも「思った以上に球威もボールの伸びも凄かった」と3番に座った渡邊顕人が話すように、あと1本を出して得点に結びつけることが出来なかった。点数を奪い、リズムに乗ることが出来れば、試合展開はもう少し違っていたものになったかもしれない。そう考えれば悔しい結果だろう。
だが、明るい話題もある。4回からリリーフした2年生右腕・渡邊が6回無失点の好投で存在感を示した。
練習試合から渡邊はリリーフとしての登板経験を積んできた。この試合も「練習試合と同じだった」こともあり、良い流れでマウンドに上がったという。「東京神宮シニアの時に、『大谷翔平さんを参考にしてみなさい』ということで、意識しています」というノーワインドからクイック気味のフォームで、最速142キロを計測するという真っすぐ主体に、ボールのキレで修徳打線を圧倒してきた。
一冬かけて制球力とボールのキレを磨くために、リストの強化を重点的に渡邊はトレーニングを重ねた。そして夏の大会を前に「誰が相手でも常に全力で投げる」ことを心がけたことで、一皮むけたそうだ。それに関しては伊達監督も感じており、「殻を破れた感じがあります」と渡邊の成長ぶりを話す。
その成果を見せるように修徳打線から次々と空振りを奪った。先輩たちのためにも精一杯、腕を振って6回を投げて7三振を奪った。勝利を呼び込むことは出来なかったが、都立雪谷の渡邊の名前は、この試合で知られるきっかけとなったはずだ。秋以降の活躍を楽しみにしたい。
(取材=田中 裕毅)
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