試合レポート

大府vs南陽

2021.07.11

細かく得点を重ねた大府が、7回コールドで南陽を下し3回戦進出

 毎年、夏にはきちんと仕上げた好チームで大会に挑んでいる大府。昨年の県独自の夏季大会でもしっかりとベスト8に進出して、知多地区の伝統校としての面目を示した。今年のチームは、秋季大会~春季大会や全尾張大会も含めて、公式戦ではもう一つ満足いく結果は得られなかったようだ。それでも、ここへ来て、夏へ向けてチームの大黒柱となる竹内裕人君が調子を上げてきている。このあたりはさすがと言っていいであろう。

 先週の1回戦をコールド勝ちして上がってきた大府。この日は、初戦で東海学園を下して進出してきた南陽との対戦となった。

 南陽は初回、大府の先発背番号18の小林大輝君に対して、死球~バント~四球と攻めてチャンスを作ると、南陽で頼れる4番の都筑君が中前へはじき返して先制。さらに、やや制球に苦しむ小林君がストライクを取りに来たところを攻めて、黒川君も中前打で2点目を奪った。

 しかし、その裏、さすがに大府もすぐに追いつく。連続四球と暴投、鈴木創大君のタイムリーと右犠飛で、同点とした。大府としては、すぐに追いつけたことで妙に失点を引きずらずにすんだというところだろうか。これで、2回以降はすっかり大府のペースで試合は進んでいくことになった。


 2回は鷲尾君の三塁打、鈴木翔太君の二塁打などで2点。3回には捕手からマウンドに登った南陽の都筑君に対して竹内裕人君が推定130mという右中間への大きな当たりのソロアーチで加点すると、さらに連続四球に乗じて、鷲尾君や代打山本寛将君のタイムリーなどでこの回3点。4回も竹内裕人君の2打席連続となるソロアーチでさらに1点。前の打席と、ほぼ同じところに打ち込んだのは、それだけスイングが安定しているということの証明でもあると言えようか。

 さらに大府は、6回にも小林寛央君の二塁打や犠飛で2点を追加。このリードを守り切って大府がコールドゲームを成立させた。

 この日は、エースの竹内裕人君を打者として専念させることは前提としていたというが、野田雄仁監督としては、ほぼ当初の予定通りの継投だったという。もっとも、「やはり、夏の大会というのは特別な空気があるんでしょうね。かなり、経験のあるはずの小林大輝でしたけれども、はた目から見てもわかるほどね、かなり硬くなっていましたね。それが2失点となって表れたと思います。毎試合、入りは大事だよと言うことは言っているんですけれども…(苦笑)。だけど、2回からはしっかり修正してきてくれたのでよかった。続く、竹田と最後に投げた毛呂は想定通りの投球をしてくれた。能力のある子たちなので、信頼はしています」と、投手陣も調整はよくなっているということを述べていた。

 スコアとしては10対2で7回コールドゲームという形になってしまった。しかし、南陽も初回には2点を先取するなど健闘。さらに、リードされてもひたむきな守りの姿勢を示していて、記録としても無失策だったということも試合を引き締めた。このあたりは、高田真弥監督の丁寧な指導の成果と言ってもいいのではないだろうか。少人数の中でも、きちんと取り組んできた成果を示せた試合だったと言っていいであろう。

(文=手束仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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