都立国分寺vs多摩大聖ヶ丘
都立国分寺が10ヶ月ぶりの大会で今チーム公式戦初白星!
9日、多摩一本杉球場では4日から順延した第103回全国高校野球選手権 西東京大会の1回戦、都立国分寺vs多摩大聖ヶ丘の一戦が行われ、都立国分寺が7回コールドの8対0で勝利し、今チーム公式戦初勝利を果たした。
多摩一本杉球場では1回戦3試合が予定されていたが、第一試合の国士舘ー都立調布北が中止となり、第二試合からの開催となった。都立国分寺は初回に3連打で3点を先制。5回にも4安打集め4点を奪い多摩大聖ヶ丘を圧倒した。
都立国分寺は昨秋、ブロック予選で桜美林の前にコールドで初戦敗退していた。「新チームになってやりたかったことが一つもできなかった」と野村祐介監督は振り返る。さらに一次予選も中止となり、今チームでの公式戦はこれが2試合目。しかし、この10ヶ月ぶりの晴れ舞台に選手たちが成長を見せた。先発・石井 康輝は7回をわずか2安打、無失点の好投で今チーム初勝利を飾った。
「素直に嬉しいです」とエース石井も表情を緩めた。秋は背番号10で2番手だったが、チーム練習が行えない期間にコツコツと努力を重ねた。秋は四球で試合を崩すことが多かったという石井は、フォームの微調整に試行錯誤した。制球力アップを目標に、サイドスローを試すも肘に負担がかかり断念。スリークウォーターもしっくりこなかった。それでもキャッチャーだった2つ上の兄・大智さんとともに自主練を重ね、現在のスリークウォーター気味のフォームにたどり着いた。
この試合では5四球を出すも、肩口から入ってくるスライダーを効果的に使い、要所を締める投球で相手打線に好機を作らせなかった。この大きな1勝に指揮官も「自信がついたと思います」と石井を労った。初勝利の喜びを胸に、この夏の目標について石井は「『甲子園』じゃないと意味がないと思うので」と大舞台を見据えながら一戦必勝で戦っていく。
一方、敗れた多摩大聖ヶ丘だが、3年生はエースの藤崎 浩太郎と主将の荒川 優の2人だけでこの夏を迎えた。主将を決める際、本村哲郎監督は「二人ともチームを引っ張っていくタイプではなかったので悩みました」と言うも、2年生部員からの推薦で主将に就任した荒川は大役を全うした。
この日エース藤崎が打ち込まれた際には、荒川は守備位置の二塁からマウンドへ駆け寄り藤崎を激励した。試合終了後には、一人涙を流す姿も印象的だった。その涙は「3年生二人は1年前と比べると人が変わったように成長しました」と指揮官も語ったように、この1年で芽生えた責任感を表していた。
(取材=藤木拓弥)
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