日体大柏vs富里
好投手輩出の日体大柏に新たな注目投手現る!
先発・岡田凛太郎(日体大柏)
1週間500球以内という球数制限が施行されるようになって、継投を意識するチームは多くなってきたが、個人の投手に頼りすぎず、チームが入れ替わっても、継投をパターン化したチームがある。それが日体大柏だ。
伊藤監督によると、日々の投球練習を少なく設定し、練習試合でも常に継投。
「怪我をさせたくない」という伊藤監督の思いは起用法にも現れており、昨年も、ドラフト候補として注目された箱山や、菅谷 大紀(日体大柏-BC武蔵)と好投手を輩出。
そして今年もプロ注目とまではいかなくても、大学で続けられそうな投手を育成している。まず先発マウンドに登ったのは、左腕の岡田。昨夏の時点で125キロ前後ぐらいだったが、トレーニングをしっかりとやった成果があり、常時120キロ後半〜133キロを計測。ミットに突き刺すストレートは迫力があり、球速表示以上に勢いを感じさせた。リードするコッシー・アダムも「ブルペンから非常に良くて、実際のマウンドでも本当に良かったので、強気に押すことができました」と強気の投球でストレートでねじ伏せる投球が光った。岡田は6回1失点の好投でマウンドを降りると、7回表からは昨秋からエース格として活躍している川口が登板。
川口も以前よりも球速を伸ばしており、常時130キロ前半から135キロ。さらに120キロ近いスライダーを投げ分け、1回2奪三振の好投を見せると、8回表には身長が190センチ近くあるという河原崎 友基が登板。長身から振り下ろすストレートは120キロ後半ぐらいだが、120キロ近いキレ味のあるスライダーを低めに集め、投球を展開。1回2奪三振の好投で、富里打線から計9三振を奪い、3投手とも見せ場を作った。
1年ごとにしっかりと投手を作り上げる日体大柏投手育成力は見事だろう。あとは、次に対戦する習志野相手に通用するか。これまでの取り組みの成果が問われる。
打線は7安打だが、相手の失策を漬け込み、効果的に加点し、8対1でコールド勝ちを決めた。
打者では4打数2安打の活躍を見せた4番杉田 峻が面白い存在だ。太ももが太く、重心が低い構えからレベルスイングで力強い打球を飛ばしている。更に打球に角度が付けば本塁打量産も期待できる打者だ。
敗れたが、富里も夏へ向けて進化が楽しみな選手が多い。1回戦の西武台千葉戦で本塁打を放っている指本 健太郎だ。弧を描くようなスイングのメカニズムを見ても、実に力強く、レベルが高い日体大柏投手陣相手にマルチヒットを記録。また先発の安井 羽空は、テークバックがコンパクトなフォームから繰り出す120キロ後半〜130キロ前半の速球が光った。スライダーのキレも悪くなく、力で押す場面が目立った。夏まで進化し、有観客開催となれば、さらに多くの人に目が留まる存在となりそうだ。
(取材=河嶋 宗一)