試合レポート

西武台vs朝霞

2021.04.16

世代間のバランスの取れた西武台がコールドで県大会へ

西武台vs朝霞 | 高校野球ドットコム
西武台・渡邊 新太

 [stadium]川口市営球場[/stadium]の第2試合は一昨年秋の県準優勝校である西武台朝霞との一戦である。西武台は一昨年秋関東大会に主力として出場していた武井 大智(3年)、深田 翔太(3年)が残っている。昨夏の代替県大会は3年生のみで臨んだため彼らは出場していない。だが、昨秋は川口が相手とはいえ地区大会で敗退している。相手は粘りが身上の朝霞だけに真価が問われる一戦となる。

 まずスタメンだが、深田は3番で出場するが、武井の姿がない。どうやら前の試合で怪我をし、この試合は大事を取ってスタメンを外れたそうだ。幸い軽症で県大会には間に合うようだ。1番には一昨年秋の準優勝時ベンチに入っていた才田 翔也(3年)が1番に入り、4番には深田を差し置いて2年生ながらエースで4番の渡邊 新太(2年)が座る。渡邉はMAX143km右腕であるが、現在調子を崩しており、
 「彼は大きく伸ばしたいので」
という河野監督の意向もあり、あまり無理はさせないそうだ。今大会はスタメンに渡邉を含め2年生が5人いる若いチーム構成となっている。

 先発は朝霞がエース山口 達也(3年)、一方の西武台は背番号10の2年生左腕岩崎 貫太(2年)が登板し試合が始まる。

 山口はオーソドックスな右腕、岩崎は旧チームのエース増田を思わせるような投手だ。球速はまだ出ていないが回転数が良く右打者のインコースにも投げられる。このあたりも増田と被る印象を受ける。

 試合は序盤から西武台ペースで進む。

 西武台は初回一死から2番・村田 大貴(3年)が四球を選び出塁すると、続く深田がセンターへポトリと落ちるヒットを放ち一死一、三塁とチャンスを広げる。ここで渡邉がレフトへ犠飛を放ちまず1点、さらに一走・深田がディレードスチールを決め二死二塁とすると、5番・小柴 颯太(3年)がレフト前タイムリーを放つ。西武台が幸先良く2点を先行した。

 西武台は3回裏にも先頭の才田がライト線へ二塁打を放ち出塁すると、続く村田がきっちりと送り一死三塁とする。さらに3番・深田が四球を選び一死一、三塁とチャンスを広げると、続く渡邉の所で西武台ベンチは一走とのエンドランを仕掛けると、これがファーストゴロとなる。その間に三走・才田が本塁へ生還し3点差をつける。

 流れを掴んだ西武台は、5回裏にも一死から3番・深田がセンター前ヒットを放ち出塁すると、二死後小柴もレフト前ヒットを放ち二死一、二塁とする。続く青山廣大(2年)がレフト前タイムリーを放ちまず1点、さらに7番・一郷 瑠輝(2年)も四球を選び二死満塁とチャンスを広げると、続く岩崎がレフト前へ2点タイムリーを放ち6対0とする。

 投げては西武台・岩崎が終始安定した投球を見せ朝霞打線を4安打無失点に抑える好投を見せる。

 結局6回裏にも一死から2四球に2番・村田、3番・深田、5番・小柴、7番・一郷と4本のヒットを連ねた西武台は、さらに4点を奪い10点差をつけ一気にコールドで試合を決めた。

 まず、朝霞だが、投打に西武台に圧倒された内容となった。ただし、この日は守備が乱れたわけではなく、エース山口も制球を乱さず良く投げていた。新座市長杯でも5回コールドで敗れた相手にリベンジとはならなかった。それだけに夏までに1、2年生の新戦力を試し、投打にレベルアップが必要であろう。公立高校でありおそらく冬場から春先まで練習できていないはずだ。伝統校であるだけに夏までに急ピッチでチームを仕上げる必要があるであろう。

 一方の西武台だが、意外にも対朝霞戦は創部以来、公式戦初勝利だそうだ。センバツ直前に常総学院と練習試合を行い敗れはしたがミドルスコアで僅差の試合をしている。
 「今年の3年生は旧チームに比べおとなしく、1、2年生の元気がいいので良いバランスかと。春の関東大会を目指します」
と河野監督は豪語するが、打線は一昨年秋準優勝を経験している3年生と元気の良い能力の高い1、2年生が高い競争意識の中で日々切磋琢磨している。投手も左右おりバランスも取れているだけに、投手陣の出来次第では上位進出も見えてくる。

(取材=南 英博

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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