健大高崎vs下関国際
8回まで被安打1の好投!敵、味方の称賛する高松 将斗(健大高崎)が見せた成長
高松 将斗(健大高崎)
強打の健大高崎がエース・高松 将斗が2失点完投勝利をおさめてチームの初戦突破に貢献した。
真っすぐは130キロ中盤ほどだが、コーナーにしっかりと投げ分け、スライダーやカーブなど多彩な下関国際打線を抑えてリズムを作ると、2回に伊藤 翔哉、高松自らのタイムリーで2点を先制する。
8回までは均衡した投手戦が続いたが、注目スラッガー・小澤 周平のライトフェンス直撃の二塁打や相手のミスで2点を追加するなど4点を入れて6対0として健大高崎が勝負を決めた。
8回までヒット1本だったマウンドの高松は、1番・片桐 優介にタイムリーを許すなど2点を失ったが逆転までは許さずにゲームセット。今大会初完投勝利で2回戦へ進んだ。
強力打線がなかなか火を噴かず、秋までの強打の健大高崎はなかなか見られなかったが、エースが粘った。「先頭打者への四球や甘いボールを外野まで運ばれたので70点です」と健大高崎・高松は振り返るが、8回までヒット1本に抑える好投は見事だった。
140キロを超えるような速球ではないが、7種類の変化球を駆使するなど的を絞らせない投球を披露。下関国際の守 優雅も「緩急があって、ストレートを打ち損ねた」と高松の投球術にハマってしまったことを反省した。
昨秋は強打で関東大会を連覇しているが高松の中では打線に助けられた部分が多く、悔しさを感じていた。その悔しさをもってウエイトトレーニングに対して高い意識をもって取り組むようにしてきたことで、「下半身を強化できたので粘りのピッチングをすることが出来ました」とトレーニングの成果を甲子園で発揮できたことを語った。そのおかげもあって、9回通じて下半身を使った粘りのあるフォームから威力のあるストレートで詰まらせるシーンもいくつかあった。
低めに威力のあるボールを集め続けるスタミナもつけられたことも好投に結びついたが、秋の悔しさを果たす投球出来たことについて、「先発起用をしてもらえたことに監督には感謝しかないです。元々先発は目指して、今日は1本も打たせないつもりでしたので、結果を残せてよかったです」と安堵の表情を浮かべた。
高松のピッチングには、「今日の守備の安定感は高松が良いテンポで投げてくれたからだと思います」と小澤主将も話しており、エースとしてのピッチングを甲子園で発揮できたのではないだろうか。
2回戦以降も秋の悔しさをバネに成長した投球で、甲子園で輝けるか。強打の健大高崎をピッチングで支える高松の投球に注目したい。
(取材=田中 裕毅)