試合レポート

東海大甲府vs東海大相模

2020.10.27

TOKAI対決は東海大甲府に軍配!劇的サヨナラで東海大相模を下す!

 [stadium]ZOZOマリンスタジアム[/stadium]で行われたTOKAI決戦。神奈川1位の東海大相模と、山梨1位の東海大甲府。勝てば来春の選抜出場が大きく近づく一戦は、投手戦となった。

 先にマウンドに上がったのは東海大甲府のエース・若山恵斗。一塁側のプレートを使ってセットポジションから捻りながら足をあげる際に、一緒に踵も浮かせるヒールアップをしていく。そこから一度身体をかがめるようにして左腕を身体の後ろで隠しつつ重心移動。最後はスリークォーター気味の高さから左腕を振り抜いていく。

 130キロ前後のコーナーに投げ分けられるストレートに加えて、100キロ台の変化の大きいカーブなどの変化球を織り交ぜる投球で、強力・東海大相模打線を封じ込める。

 対する東海大相模はエース・石田隼都。旧チームから投げてきた経験者なだけに実力は十分。ワインドアップから勢いよく動き出していき、鋭く振り抜いた左腕から角度を付けた130キロ台のストレートに、緩急を利かせたカーブやスライダーで打者を翻弄。東海大甲府打線を0点に抑え込んでいく。

 両サウスポーが互いに持ち味を発揮していき、スコアボードには0が並んでいく緊迫の展開。早く先取点が欲しい両チームだが、点数を上げたのは東海大相模だった。

 6回、一死一塁から3番・小島 大河がライトへのヒットでチャンスを広げると、4番・柴田疾が四球で一死満塁へ。ここで5番・門馬功の犠牲フライで先取点をもぎとった。

 チャンスを広げた3番・小島はオープンスタンスで少しゆとりを持ったフォームから、ピッチャーが足を下ろし始めるタイミングできっちり足をあげてタイミングを上げていく。懐が広く、手元に置いたポイントまでボールを引き付けて鋭いスイングで打球を飛ばす力のあるバッターだ。

 5番・門馬は少し前かがみとなっている姿勢で、両脇をきっちり締めつつもバットのヘッドをピッチャーへ向けながら構えていく。そこから足をくっと上げてながらもバットを一度下げるヒッチの動作を入れながらトップを作る。そこからボールを叩くようにバットを振り下ろしてボールを捉えていくのが印象的な打者だ。

 1点のリードをもらった東海大相模・石田は安定した投球を続け、東海大甲府打線に反撃の隙を与えない。その一方で東海大甲府の若山も2点目以降は与えない落ち着いた投球で味方の反撃を待ち続けた。

 そして東海大相模1点リードの9回、後攻の東海大甲府は先頭の2番・中澤 空芽の四球と4番・木下 凌佑のヒットでチャンスを作る。一死一、二塁としたところで、5番・久井 竣也がライトのタイムリー。バウンドでライトの頭上を越し、外野を転がっている間に2人が生還してサヨナラ。東海大甲府が劇的な勝利で東海大相模を下した。

 タイムリー放った久井はすり足でタイミングを取り、コンパクトな構えからボールにしっかりとミートできる打者だが、両チームの先発投手の出来が素晴らしかった。

 東海大相模・石田は四死球4、東海大甲府・若山は3つ。サヨナラの場面まで連打を許さない安定の投球で試合時間は1時間49分とスピードゲームとなったことも納得できる。春先にどこまで成長するか考えると、楽しみしかない2人の左腕の投げ合いだった。

(文・=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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