北海vs旭川大高
ロースコアの白熱の一戦は雨天ノーゲーム。北海と旭川大高の好ゲームは決着つかず
旭川大高先発・原颯太
2019年の夏の甲子園に出場した旭川大高。そして2016年の夏の甲子園準優勝の北海。どちらも全国の舞台での実績を持っている道内の実力校同士の対戦は、一歩も譲らぬ試合展開となった。
その中心にいたのが、旭川大高先発・原颯太の好投が大きい。身長170センチ体重74キロと決して大きいとは言いにくい体格だが、ゆったりとした重心移動から下半身の力を徐々に上半身へ伝えていき、着地すると同時に一気に横回転で身体を捻り、左腕を振り抜いていく。ストレートの勢いはもちろんだが、切れ味鋭いスライダーが北海の各打者を苦しめる。
初回、北海の注目打者・宮下朝陽にヒットを許すなど、初回はピンチを招きながらも無失点に抑える。すると、直後の攻撃では二死から四球で出塁した3番・富田翔太を二塁において、4番・菊地大翔と5番・樋原 鼓太朗の連続タイムリーで2点を奪った。
4番・菊地は長打を飛ばすというよりも、確実にミートしていき率を残していける繋ぎの4番という印象を受けた打者。少しバットを寝かしたままで構えて、反動をあまり使うことなく軸もブラすことなく、ボールを捉えるのに長けたスイングだった。
また5番・樋原は足をしっかり上げてタイミングを取りつつ軸足にタメを作って、手元まで引き付けたポイントに上から最短距離で叩いて打球を飛ばしていく。1打席目に三塁打を記録したが、パンチ力も兼ね備えている打者である。
2点を取られて早く追いつきたい北海だが、原のキレのあるボールの前にランナーを出してもホームを踏めずに苦しい展開が続く形になった。
それでも6回に3番・杉林蒼太が四球で出塁すると、エラーと8番・小囗 偉大の犠牲フライで北海が追い付く。
2対2で終盤に入る白熱の試合だったが、ここで試合中に振り出していた雨が強さを増したため、一時中断。20分近く待ったが再開は不可能と判断されノーゲーム。7日に持ち越しとなった。
追いついた北海としては勢いそのままに勝ち越しをしたかったところ。しかし8四死球を選びながらヒットわずか1本に抑えられていた原への対策を立てられるという点においてはプラスになったはず。7日はどのような戦いを見せてくれるのか。
一方で追いつかれた旭川大高は追いつかれたという試合展開を考えれば、ノーゲームはポジティブに捉えられる。だが、新たに導入された球数制限を考えると、好投していた原の球数がカウントされるのはマイナスに働くのではないだろうか。
両チームともにプラスもマイナスもある雨天ノーゲーム。この結果をどのように繋げるか。再試合は7日に[stadium]札幌円山球場[/stadium]で行われる。
(取材=田中 裕毅)