鹿児島城西vs吹上
「5カ月後が楽しみ」・吹上
長隆稀投手(鹿児島城西)
鹿児島城西は初回、4つの四球を選んで押し出しで先制する。
2回表は長打を警戒して外野が後ろに下がっていた分、3本の打球が外野の前に落ちる幸運なヒットもあって3点を追加した。
吹上はその裏、先頭の5番・小田翔也(2年)がレフト前ヒットで出塁。二塁に送って7番・塘翔太(2年)が右中間を深々と破る三塁打を放って1点を返した。
鹿児島城西は5回、8番・鍛冶屋成希(2年)のレフト前タイムリーで1点を追加。8回には9番・長隆稀(2年)のレフト線2点タイムリー二塁打などで3点をダメ押した。
投げては4投手の継投で吹上打線の反撃を1点で食い止めた。
同じ南薩の私学強豪・鹿児島城西に最後はコールド負けの吹上。新開剛監督は「この試合だけ見れば、悔しい敗戦」としながらも「この2カ月間でチームがぐっと大きく成長した。ベスト8に入ったことよりも3勝して4試合目を戦えたことが何よりの収穫」と振り返っていた。
メンバーは20人に満たない14人。練習試合、地区大会とも試合ではなかなか勝てなかったチームだが、今大会はエースで4番の下池昌也を中心に2年生が奮起。特別すごいプレーができる選手はいないが「1つ1つの積み重ねをコツコツ取り組んだ成果」を今大会随所に発揮し、粘り強く勝ち上がった。
「あと3つ、勝ちたい欲をどう選手たちの中で育てていけるか。5カ月後の春が楽しみ」と指揮官のまなざしは来春に向いていた。
(文=政 純一郎)