試合レポート

鎌倉学園vs鶴見

2020.08.05

鎌倉学園・荒川が2安打13奪三振完封勝利

 サーティーフォー保土ヶ谷球場で行われた、鶴見鎌倉学園の2回戦。昨秋神奈川大会1回戦と同じ顔合わせとなったこの試合。秋は10対0で鎌倉学園が圧倒したが、今回は非常に見応えのある投手戦となった。

 鶴見の先発は右腕の伊藤 羽翼。非常に小さなテイクバックで、右肘・肩が背中側に入ることがなく、インステップ気味に踏み込みながら、身体の前側で腕を振る独特なフォームが持ち味。細身ながら、力強い速球を投げ込み、身体のバネを感じさせる。

 伊藤は初回を三者凡退に抑えると、2回以降は走者を許しながらも決定打を許さず7回まで無失点。8回に一死から続けて四球を出し、走者を溜めたところで5番・今井航太郎の三塁打、大薗洸人にタイムリーを浴び、3失点。9回にも走者は出したものの、得点は許さず9回3失点、9奪三振で完投。

 一方の鎌倉学園のエース・荒川 和慧は、ガッシリ体型の右腕。太もも、腰回り、胸回りに厚みがあり、体幹の強さを感じさせる。左足を上げたときに、頭からかかとまでスッと一本芯が入ったような安定感を感じさせ、オーソドックスながら力強いフォームで速球を投げ込む。

 荒川も伊藤同様、初回を三者凡退に打ち取ると、7回までわずか1安打、1四球、10奪三振と、鶴見打線に付け入る隙を与えない。先制点をもらった直後の8回には安打を許したが、アウト3つを三振で取り無失点。9回も0点に抑え、見事完封勝利を達成した。

 敗れはしたが、鶴見は秋からの成長を見せつけた一戦となった。2015年以来の夏1勝とはならなかったが、伊藤を中心にノーエラーと、締まったゲームを披露した。

 勝った鎌倉学園は、選手一人ひとりのレベルが高いチームだ。身体に厚みがあり、スイングも力強く、上位を狙えるチームだろう。一昨年夏の準優勝を越えるべく、次戦で強豪・平塚学園と相まみえる。

(文=林龍也

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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