市川東vs市川昴
公式戦初先発のエース・中川 健介(市川東)が2失点完投!自粛期間に習得したカットボールを駆使し9回9K
毎年、夏前に練習試合を行っているという市川東と市川昴。今年はコロナの影響で中止となってしまった。
ようやく迎えた千葉大会の開幕。その開幕日の第一試合で初先発に臨んだ市川東の背番号1をつけた中川は、「前日から緊張していました」と初回には固さが見られた。
先頭に四球を与えると、2番・高野颯太郎主将には右越え二塁打を浴び、いきなり無死二・三塁ののピンチを作る。その後、4番・藤岡幹太に左前適時打などで2点の先制を許した。
初回の失点について市川東の和志武勇士監督は「相手2番の高野選手はしっかり振ってくる選手と知っていましたので、やられたなという感じです。それでも、初回は一つずつ慌てずとっていこうと話をしていましたので、あまり大怪我にならずに済んだことはよかった」と難しい初戦の初回をなんとか2失点で踏ん張った。
その後の中川は徐々に緊張が取れたのか、要所を抑える投球で尻上がりに調子をあげた。特に、三振を奪った決め球のカットボールは、この自粛期間で習得したという。「YouTubeに上がっている動画を参考にして、実践したら使えるようになりました」。この試合ではそのカットボールを全体の3割ほど使ったという。
打線は3回に4番・斉藤英之の左戦への適時打で1点を返し、7回には一死無塁で1番・島崎虎汰が右越え二塁打で出塁すると、敵失で同点に追いついた。
そして、8回、中川はテンポよく三者凡退で抑えると、9番・志田蓮太朗、2番・星野友太郎、3番・中川健介の3本の適時打を含む4安打で5点を奪い終盤で大きくリードを広げた。
そして9回のマウンドにも中川が上がり、先頭から二者連続三振に打ち取り、最後は三直で締め、公式戦初先発を9回2失点9奪三振完投勝利で飾った。
次戦は強豪・千葉商大付。「自分ができることをどんどん試していきたい」と格上相手にも闘志を燃やした。和志武監督は「この試合で初戦の初回を苦労して乗り越えたことは収穫です。商大さんも立上がり難しいと思うので、そこで自分たちのペースに持って行けたらと思います」とこの勢いのまま、強豪撃破を狙う。
(記事=藤木 拓弥)