下伊那農vs松川
ノーシード対決を延長で制した下伊那農が準々決勝進出
完投した岡谷南の星野
前日に南信第1シードの東海大諏訪を破った松川と、第4シード岡谷工業を下した下伊那農のノーシード勢が、南信A代表を懸けて対戦。延長10回、下伊那農がサヨナラ勝ちし、準々決勝進出を決めた。下伊那農のベスト8は、選手権大会の記録になるが1964年以来となる。
松川は前日135球を投げた木戸陽都、下伊那農も前日155球を投じた小木曽柊真の両エースが先発した。松川は4回、6番今村隼之佑主将のスクイズと7番松田篤実の適時打で2点を先取。下伊那農はその裏、5番原田大聖の犠飛で1点をかえすと、5回には3番澤栁晴輝の2点適時二塁打で試合をひっくり返した。
1点ビハインドとなった松川は7回、2四球と安打で2死満塁。ここで3番大島梓恩は高めの真っすぐを強振すると打球はレフトスタンドに吸い込まれ、再び逆転。さらに適時打で1点を加え、リードを4点に広げた。
粘る下伊那農は、その裏、疲れの見え始めた松川・木戸を攻め、5番原田の適時打で1得点。続く8回には、1番山田直輝の2点適時打、さらに4番近藤慎之介主将の適時打で7対7の同点に追いついた。
下伊那農は7回途中から、ショート鎌倉純夢がリリーフ。両者譲らず、延長戦に入った。その10回裏、下伊那農は3つの四球で2死満塁として5番原田が2球目を左前に運び、サヨナラ勝ちを収めた。
下伊那農の近藤主将は「昨年の先輩のような個々の力がなかったので、チームプレーを徹底してきた。つなぐ意識が、この試合でいい結果になった」と胸を張った。松島晃監督も「それぞれの役割を一生懸命にやってくれた」と、最後まであきらめなかった選手たちをたたえた。
前日に続く完投となった松川の木戸は「序盤からボールが浮き、後半から制球できなくなってきた。悔いは残るが、積み重ねてきたものは出せた」と前を向いた。筒井剛監督も「木戸はよく粘って投げた。相手の2番手の投手を思ったようにとらえられなかった」と8回以降の無得点を悔やんだ。
(取材:小池剛)