淑徳vs都立青井
12安打の猛攻!強力打線・淑徳が都立青井をコールドで下す!
淑徳4番・渡邉敬徳
2時間半を超えてタイブレークとなった第1試合の熱戦が冷めやらぬ中、2試合目の淑徳対都立青井の一戦が幕を開けた。
淑徳の先発のマウンドに上がったのは、エース・橋本静男。ノーワインドアップから左足を真上ではなく、ショート方向に少しひねり上がら上げていく。そこから右腕を下ろしたまま重心を前へ運び、着地と同時に身体を回転させながら、右腕を一気に振り下ろす。指揮官の中倉祐一監督も「試合を作れる」という信頼を置かれている橋本は、ストレートに縦に大きく曲がるカーブなどを軸に初回に無失点に抑え攻撃にリズムを作る。
すると直後の攻撃で、1番・赤羽陽太の二塁打を皮切りに、4番・渡邉敬徳のタイムリーなど打者9人の攻撃で6点を奪取。試合の主導権を握った。
3回に都立青井の2番・大川拓哉のタイムリーと4番・井出翔太の犠牲フライで2点は失ったが、4回に1番・赤羽と3番・常山紫馬のタイムリーで2点を追加。さらに5回にも1点を加えて9対2とすると、6回には4番・渡邉の2本目のタイムリーなど3点を追加してゲームセット。淑徳が6回コールドで都立青井を下した。
淑徳は各打者のボールの待ち方がよく、軸のブレも少ない。加えてコンパクトなトップからパンチを利かせた打球を飛ばしていく。簡単にストライクを取りに行くと、打ち込まれる可能性がある怖い打線だ。試合後、淑徳の中倉祐一監督は、「代替大会だからこその緊張感でふわふわしていたかなと思います」と試合の出だしを振り返る。それでも後半に上手く自分たちの野球が出来たことを評価した。
今年のチームは、過去のチームと比較して考えてプレーが出来る選手が多いこともあり、自粛期間中は細かな指示を出さずに、選手たちに任せた。再開後も違和感なく大会まで準備が出来たとのことだ。次戦はどんな野球を見せるのか、注目だ。
一方敗れた都立青井の樋口陽彦監督は、「3年間練習でやってきたことは試合で発揮できたと思います」と語った。今の3年生は最初1人だったところからスタートし、最後の夏は単独チームで出場できるように活動を続けてきた。そんな3年生に向けて、「野球に真摯に取り組んだことはよく頑張ったと思いますし、誇りに思う」とコメントを残した。
昨夏は連合チームで大会に参加した都立青井。今年は単独での出場が叶い、特別な夏になったはずだ。この経験を次のステージで活かしてほしい。
記事=田中 裕毅