共栄学園vs堀越
清水一眞が2安打完投勝利 共栄学園が初の秋季大会ベスト8
2安打完投勝利を挙げた清水一眞(共栄学園)
秋季東京都大会は27日、[stadium]駒沢野球場[/stadium]にて共栄学園と堀越の3回戦が行われ、共栄学園が接戦を制して秋季大会では初のベスト8進出を決めた。
共栄学園の先発は、背番号1の右腕・清水一眞。体の強さが目を引く投手で、フォームに大きなクセもなく、力感のある腕の振りから力のある真っ直ぐを投げる。
初回に二段モーションの指摘を受けるが「上手く切り替えて修正出来た」と語ったように、意に介すことなく淡々と自らの投球を続けた。
そしてそんな清水の好投を後押しするように、打線も着実に援護点を上げていく。
初回、二死三塁のチャンスを作った共栄学園は、4番・岩元大威がセンターへのタイムリーヒットを放って1点を先制すると、さらに同点とされた後の3回、今後は二死一、二塁のチャンスから5番・杉山佑希のレフト前タイムリーで勝ち越しに成功。続く6番・中川慧太にもレフト線を破るタイムリーツーベースが生まれ、5回にもさらに1点を追加した共栄学園は、試合の主導権を握り優位に試合を進めていく。
共栄学園は最後まで後手に回ることなく戦い、試合は4対2で堀越を下してベスト8進出を決めた。先発の清水も、9回を投げ切り被安打2、自責点1とエースらしい投球であった。
試合後、共栄学園の原田健輔監督は試合を振り返って反省点を口にしつつも、2017年の夏以来となるベスト8に笑みを見せて準々決勝に向けても気持ちを引き締めた。
「ちょっと相手の投手に苦しめられたなと思います。秋は初のベスト8になりますが、次のいつも通りやるだけです」
敗れたが堀越は劣勢の中でも手応えを掴んだ試合となった
また完投勝利を挙げた清水も浮かれた様子は一切見せない。チームはあくまで挑戦者であることを強調し、腹をくくって試合に臨むことを誓った。
「自分たちはあくまで挑戦者です。割り切って、常に全力でぶつかっていきたいと思います」
一方敗れた堀越。僅か2安打での敗戦となったが、小田川雅彦監督は意外にもこの試合を前向きに捉えていた。
「完敗です。ですが、この試合から学べることはたくさんありました。まだまだ伸びる要素はたくさんある思うので、もう少し粘り強いチームにしたいと思います」
共栄学園は9安打を放ったのに対して、堀越は2安打でも粘り強く食らいついていく姿勢を見せて接戦を演じることが出来た。小田川監督も語るように、堀越がここからさらに成長していく要素は多くあるように感じる。
一冬越えて、力つけた堀越の姿が今からとても楽しみだ。
(文=栗崎祐太朗)