都立城東vs日体大荏原
1年生リレーで快投!都立城東が緊迫の投手戦を制し日体大荏原を下す!!
決勝点のホームイン!!
昨夜から降り続いた雨の影響により試合開始が30分遅れて試合は始まる。
球場の改修工事を終え、全面人工芝に生まれ変わった[stadium]都営駒澤球場[/stadium]には問題ないといったところだろう。
しかし、試合前のサイドノックでは両校が濡れたボールの送球に、苦労する場面が多々見られた。これが試合にどう影響するのか、満足にノックが行えない状況下での対応が問われる試合を見ていく。
日体大荏原の先発は宮下大地が上がる。今夏のマウンドも経験し十分にエース格として役割を全うした。180㎝67㎏と上背はあるが少し華奢な右腕。ストレートは最速138キロを投げ込み、多彩な変化球も際立つ好右腕。
対する都立城東の先発は1年生左腕の林平太郎が上がる。
彼もまた細身であるが変化球中心に打たせてとる投球を展開。非常に場慣れしているように見て伺え、コントロールも良くまとまりのある左腕。
背番号1を身に着け責任感があり、とても緊張しましたと林は試合後語る。
結果的に、この試合を決める点数が入ったのが3回表都立城東の攻撃。
1番・陶直史が放った打球はレフトへ飛ぶとこれを捕球ミス。無死、二塁のチャンスを得た都立城東。上位に繋がる打順ではあったが、2番3番を連続三振に抑える気迫の投球を披露した宮下大地は試合後こう振り返る。
「狙って三振を取りに行きました。チェンジアップで上手くタイミングを外すことを考えて投げました」と相手をよく観察し比較しながら投球するクレバーな一面も垣間見えた。
しかし二死後、4番・千野亜真汰にはライト前に運ばれ先制点。結果これが決勝点となるゆえにもったいない点の与えてしまう日体大荏原の先発・宮下。2者連続で三振を取った後の1ストライク後少し勝負を焦った結果となる。
宮下大地(日体大荏原)
先制点を貰った都立城東の先発・林は無四球の好投を続けた。
「自分は球速も速くありません。ストレートと変化球を混ぜてコントール投げることが最大の持ち味です」
だが、5回と6回に1つ四球を出した結果には満足いかない様子の林。次戦は無四球を目指して頑張りたいと語った。
7回からリリーフ登板として上がったのは、背番号18右腕・鳴坂隼。
宮下、林が演じた張り詰めた投手戦だけに難しい判断での継投に思えたが、都立城東・内田稔監督は安心して送り込んだ。
「夏季のOP戦でも継投で試合を行ってきました。全然不安や問題はなかったですね」
と試合後振り返り今年の都立城東の勝ち方を示す形に。
9回完投したが負け投手となってしまった日体大荏原・宮下。今日の調子そのものがあまり良くなかったと言いながらも、被安打6、奪三振9を奪う好投にも満足を覚えない。
今後の課題については「やはり高めの球は打たれる。どれだけ低めに球を集めることが出来るかが課題です」と悔しさを滲ませた。
日体大荏原は、今日の敗戦を機に打撃陣の奮起がなければ勝てるチームにはなれない。冬は各自がスイングを多くこなしていき、春は別のチームに生まれ変わっていることを期待したい。
一方勝利した都立城東は、継投に加え少ないチャンスをモノにできるチームにと内田監督は語る。今年の秋は「5回勝つ」と掲げる。決勝に進めばおのずと甲子園も見えてくるのではと内田監督。1番・陶と2番・清水隆太郎が軸となりチームを引っ張ってほしいと願いを込めた。
スター選手は居ずとも、コツコツ勝つ都立の星として次戦も期待したい。
(文=編集部)