星稜vs中京学院大中京
星稜、投打で圧倒し、24年ぶりの決勝進出!
奥川 恭伸(星稜) 写真:共同通信
星稜の奥川恭伸が5回まで無失点の好投を見せている。1回表、先頭打者に安打を浴びたが、後続をしっかりと締めると、2回以降は最速153キロ・常時145キロ~150キロの直球、130キロ前半のスライダー、130キロ前後のチェンジアップを織り交ぜ、7回まで投げて10奪三振、2安打、無四球、無失点の快投を見せた。
この試合でも奥川はストライク先行。ギリギリにコントロールされた150キロ台のストレートが決まるので、好打者揃いの中京学院大中京もなかなか手が出ない。
常に全力ではなく、140キロ前半の速球、スライダーを低めに集めながら打たせて取ることができる。多少、強度を落としても、奥川はストレートの威力もあり、7回までの球数は87球。1イニング平均は12.42球と、短く収めており、球数を短くまとめられるのも奥川の強みだといえる。
大会防御率は未だ0.00。この記録を継続することができるか。
奥川だけではなく、ほかの投手陣も素晴らしい。左腕・寺沢 孝多もこの1年で目覚ましい成長を見せている。
左スリークォーターから投げ込む直球は常時130キロ前半~139キロを計測。腕の振りは鋭くなり、だいぶストレートも迫力が出てきた。120キロ前半のスライダーも低めに集め、ここまで3試合を投げて4回無失点と安定感を発揮している。寺沢は9回に登板しても冷静にピッチングできている精神力が強み。
昨年の[stadium]甲子園[/stadium]では済美戦では逆転サヨナラ満塁弾を浴び、悔しい思いをした左腕は、頼れる左腕へ成長した。
こうして中京学院大中京を圧倒した星稜。奥川以外の投手陣の成長が奥川の負担を減らし、準決勝でも精度が高いピッチングを見せることができている。
次は履正社。ハイレベルな戦いになることは間違いない。
(記事=河嶋 宗一)