北嵯峨vs同志社
シード校・北嵯峨が市田の好投で初戦突破
シード校の北嵯峨が同志社を破って3回戦進出。3番・髙木が2本の適時打を放ってリードを奪うと、エースの市田が完封勝利を収めた。
北嵯峨先発の市田一成(3年)は「左バッターの内角にしっかり決めることができて良かった」と立ち上がりから素晴らしい投球を見せ、3回まで同志社打線をパーフェクトに抑え込む。
援護したい打線は3回表、先頭の8番・市田が中越え二塁打で出塁。その後、犠打と四球で二死一、三塁となり3番・髙木友貴(3年)の右前適時打で1点を先制する。
さらに5回表には二死二塁からまたしても髙木が右越え適時三塁打を放ち、追加点を挙げる。髙木は背番号10をつける左投手だが、春から打撃が向上して3番に定着。この日は打でチームに貢献した。
反撃したい同志社は4回裏に主将の2番・湯川哲平(3年)がチーム初安打を放つと、5回裏には一死三塁のチャンスを作る。ここで代打・三木開陸(3年)は痛烈なゴロを放つが、二塁手の中嶋慎(3年)が難しい打球を好捕して三塁走者を釘付け。バックの堅い守りに助けられ、市田はこのピンチを凌ぐ。
「途中で危ない場面もありましたが、周りが声をかけてくれたので、安心して投げることができました」と市田は最後まで丁寧な投球を見せた。9回裏も二死一、二塁のピンチを背負ったが、最後の打者を遊撃ゴロに打ち取り、ゲームセット。市田の好投で北嵯峨が初戦を突破した。
苦戦を強いられながらもシード校の意地を見せた北嵯峨。西純平監督は「初戦は難しいですね。接戦をできたのは次へのプラスになったかなと思います」と試合を振り返った。攻撃ではバントのミスが出るなど、つながりを欠いたが、自身のある守備では無失策と力を発揮した。
北嵯峨は過去に5度の甲子園出場経験があるが、1996年夏を最後に聖地から遠ざかっている。市田は「強い北嵯峨を取り戻したい」と今大会での意気込みを語ってくれた。春に8強入りして自信を取り戻したかつての公立の雄が23年ぶりの甲子園を目指す。
敗れた同志社の野村一成監督は「ベストゲームだった」と選手の健闘を称えた。最後までホームベースは踏めなかったが、こちらも無失策と堅い守りを見せてシード校に食い下がった。1、2年生がスタメンで5人名を重ねており、秋以降も楽しみなチーム。今後の躍進に期待したい。
(文:馬場 遼)