都立葛飾商vs筑波大附
手堅い野球で葛飾商が筑波大附下して初戦突破
国立の筑波大附は進学校としても知られているが、今春の入試データを見ても、東京大32人(サンデー毎日4月21日号より)をはじめ国公立大、早慶などのいわゆる難関私大などにも多くの合格者を出している。今年の東大野球部にも内野手の和気正純君(3年)が在籍している。
試合は両チームともに初回は三者凡退という、静かな試合の入り方だった。葛飾商は左腕の信太君、筑波大附は背番号4の加門君の先発だった。
先制したのは筑波大附で3回、先頭の8番田中君が左中間へ二塁打するとはバントで進み、松野君のしぶとく三遊間をゴロで破るタイムリー打だった。一塁側の筑波大附の応援席は大いに沸いた。加門君はリードに気負うこともなく、4回も淡々と投げて3人を打たせて取っていた。
加門君をやや打ちあぐねていた葛飾商だったが5回、一死から7番林君が右前打で出るとバントで二塁へ進み、9番市川君の打球はフラフラと二塁手と外野手の間に落ちて、同点打となった。
そして6回には3番信太君が粘って四球で出ると、バントで進み一死二塁とし、高井君が左前打でつないで一三塁。続く神薗君が三塁前にスクイズを決めて逆転して、なおも二死二塁。林君も右前へ落としてこの回2点目が入って3対1となった。
加門君が捉えられてきたと見た筑波大附の豊田翔太監督は、加門君を二塁へ戻して1番をつけた原君を投入。原君は、ここは三振できっちりと抑える。しかし8回、葛飾商は原君も捉える。6回同様信太君が四球で出るとバントで送り、二死二塁から神薗君の右線に落とす安打でダメ押しともいえる4点目が入った。
8回、9回も信太君はさほど疲れた様子も見せずにスイスイと投げて、市川君の左邪飛ダイビングキャッチのファインプレーなどもあって3人ずつで抑えていった。終わってみれば、信太君は被安打4で1失点。三者凡退6度という安定ぶりだった。
葛飾商としては信太君の好投もさることながら、6回のスクイズを含めて6度バントを試みて5度成功。しかも、そのうちの4つが直接得点に絡んでいた。このあたりは、山田浩平監督の手堅い采配が勝っていく上では大事だと感じさせてくれるものだった。また、それにしっかりと応えた選手たちも、日頃の練習の成果を夏の舞台で十分に示したといえる。
文=手束仁
2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会
■開催期間:2019年7月7~7月27日(予定)
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