安城vs衣台
安城が細かく得点を重ねて、8回コールド勝ち
3年生は5人しかいないが、下級生たちが、上級生たちを盛り上げていい形のチームとなっている安城。この春の全三河大会では3位に食い込むなど、確実に結果を残してきている。一方、衣台は今大会登録11人でギリギリのメンバーである。それでも、「しっかり練習はしてきているので、決して負けていないぞ」という、そんなところがシートノックからも感じられた。
それが初回の攻撃に表れた。いきなり、先頭の田島君が二塁打すると、二死にはなったが三塁に進んで4番福田君も左中間へ運んで二塁打で2本の長打で1点先取した。安城の安部君も、いくらか安易にストライクを取りに行ったところがあったかもしれないが、そこをすかさずきっちり打った衣台だった。
出来るだけ早く追いつきたい安城は2回に8番高橋航大君の二塁打で同点とする。そして3回には2番浦竹君が中前打で出て好機を作り、バントで進め市川剣君の中前打で帰す。さらに四球などで二死二三塁として、7番市川剛君の中前打でリードを広げてこの回3点。5回にも高橋航大君の中前打と1番鈴木輝君の中越二塁打で追加点。こうして、じわじわと得点さを広げていった。
6回には衣台が澤井君の二塁打からチャンスを作って一死三塁で福田君のタイムリー打で1点を返すが、その裏にも安城は四死球と、杉山君の二塁打、押し出しなどで2点を加える。
しかし、衣台もコールド負けはすまいと抵抗を示し、ギリギリのところでこらえている。多和田君から捕手の水田君、さらには遊撃手の田島君、二塁手の榊原君と、投手が代っていくが、それぞれが複数ポジションをこなしながら、何とかこらえていっている。
このあたりは、平山英司監督もそれぞれ選手はどこがやれるのかということを、練習試合などを通じて試しながら、工夫してきたということであろう。しかし、8回ついに力尽きる形で1点を失いコールドゲームとなってしまった。それでも、11人だけれども、しっかりやってきたんだなと言う印象は十分に残してくれた。
試合後、安城の加藤友嗣監督は、「やっぱり、初戦なんで硬かったというところはあります。実は、秋も衣台とやっていて、その時も先制はされているんです。だから、後攻でもあるし先に点を取られることはあるぞとは思っていました。むしろ今日は、守りから細かく刻んて行くぞということは言っていましたから、そういう内容にはなったので、それはよかったと思います」と、結果としてコールドゲームでも、楽な戦いではなかったけれども、相手投手が目まぐるしく変わってきた継投を気県したことも含めて、今後のためにはよかったという捉え方だった。
（文=手束 仁）
