今治西vs八幡浜
今治西、村上 滉典の「好救援」で6年ぶりの春愛媛王者に!
3回表二死からリリーフした今治西・村上 滉典(3年)
6年ぶりの優勝と春季四国大会出場で愛媛高校野球盟主復権を目指す今治西と、愛媛三島・宮崎 修一監督がエースだった1986年以来33年ぶりの大会優勝・四国大会出場に王手をかけた八幡浜による決勝戦。主導権を握ったのは13年前の両校決勝戦対決と同じく今治西である。
彼らがアドバンテージを得た大きな理由の1つに伏兵の存在がある。県大会初スタメンに抜擢された7番・品部 大伊知(3年・一塁手・171センチ68キロ・右投左打・今治中央ボーイズ出身)は、2回裏先頭打者で右越三塁打を放ち、8番・岡田 一真(3年・捕手・174センチ67キロ・右投右打・今治市立伯方中出身)の中前打で先制点のホームへ。同点とされた3回裏に岡田のスクイズ(記録は内野安打)などで勝ち越しすと、6回裏には途中出場の6番・曽我 俊介(3年・中堅手・173センチ66キロ・左投左打・大洲市立大洲北中出身)の左犠飛などで3点を追加し計13安打6得点を奪ってみせた。
そして、この途中出場選手は圧巻だった。今治西の背番号「10」村上 滉典(3年・171センチ63キロ・左投左打・西条市立東予東中出身)は、先発の澤田 和希(3年・176センチ73キロ・南国ヤングマリナーズ<高知>出身)が3回表に前日5打数5安打6打点の3番・石田 翔大(3年・左翼手・168センチ72キロ・右投左打・八幡浜市立愛宕中出身)に同点打を浴び、なおも二死一・三塁のピンチを背負うと、3日連続登板となるリリーフへ。マウンドではいきなり5者連続三振で流れを味方に引き寄せ、打撃でも3打数3安打2打点で勝利に貢献した。
「無駄な四球が多かった。ストライク先行で守備にリズムを作らないといけない」と試合後、本人は石田にチーム全打点を叩き出される要因となった1番・毛利 武知(3年・中堅手・170センチ62キロ・右投右打・八幡浜市立青石中出身)への2四球を悔いたが、それも四国大会へ向けてのいい課題。今治西は「相手が嫌がるプレーをしっかりしてじわじわ崩していく」と主将の深川 拓人(3年・右翼手・165センチ70キロ・右投左打・今治中央ボーイズ出身)語ったチームモットーをさらに磨き上げ、2006年以来13年ぶりの春四国頂点と、振りかえれば春夏連続甲子園出場を果たした2015年以来遠ざかっている夏甲子園を目指す。
(レポート=寺下 友徳)