明徳義塾vs高知工
明徳義塾、苦闘の中に射し始めた光
6回裏明徳義塾・左越ソロアーチを放った3番・小泉航大
「(中本)恭平に『エンドランかければよかったんやないか?』と後で聞いたんよ。そしたら『1球待ってしまいました』と言うとった。まあ、これも経験やろ」。試合前、親類の中本 恭平監督が率いた松山聖陵の話含め、しばらくセンバツにまつわる様々な話題を「馬淵流」で語った明徳義塾・馬淵 史郎監督。ただし自チームの現状について聞くと、この四文字が返ってきた。
「ウチは満身創痍やな」
大会前には部員の半数以上にあたる38名がインフルエンザに罹患。加えて昨年センバツでもインパクトを残した安田 陸(3年・捕手・右投右打・178センチ85キロ・明徳義塾中出身)や守備の要である今釘 勝(2年・遊撃手・右投左打・168センチ63キロ・京都嵐山ボーイズ<京都>出身)はケガでベンチ外。さらに今大会途中からは捕手に秋は外野手だった鈴木 大照(2年・右投右打・河南リトルシニア<奈良>出身)を据える布陣で挑んでいる。
ただ、このような苦闘の中でも光射すものがこの高知工戦では見られた。4番の濵﨑 凛太朗(3年・右翼手・右投左打・172センチ83キロ・東名古屋ボーイズ<愛知>出身)は逆方向への長打含む2安打。四国選抜オーストラリア遠征組の1番・古澤 怜大(3年・中堅手・右投右打・171センチ74キロ・横浜市立岡野中<神奈川>出身)、この日も本塁打含む4打数3安打3打点の3番・小泉 航大(3年・一塁手・右投右打・173センチ78キロ・明徳義塾中出身)の打撃力を活かせる選手が加われば、安田・今釘の復帰後には高知商、高知と互角以上に渡り合える打線が組めそうだ。
また、長らく開花が待たれる大型左腕・林田 大成(3年・左投左打・175センチ65キロ・福知山市立日新中<京都>出身)も、この試合で指揮官が「少し良くなった」と評するほどは制球・伸びもよく先発5回74球で2安打7奪三振1失点(自責0)。夏は秋の大黒柱だった服部 遼馬(3年・左投左打・174センチ66キロ・明徳義塾中出身)との左2本に高知工戦でもリリーフで1回を無難に抑えた山田 圭祐(3年・右投右打・183センチ75キロ・藤井寺ボーイズ<大阪>出身)の3枚継投も視野に入りそうだ。
(取材・写真=寺下 友徳)