豊川vs三谷水産
1日遅れで始まった東三河地区予選、豊川が大量点で発進
豊川・梅村長良君
前日は雨で全試合が中止となり、1日遅れの開幕となった愛知県東三河地区予選のBブロックリーグ戦。愛知県の場合は、地区によって予選システムが異なるのだが、東三河地区は24校ということで、ちょうど6校ずつの4つのブロックでのリーグ戦という形になっている。
東三河の雄とも言える存在で、このブロックでは抜けた力がある豊川。まずは、圧倒的な力を示す滑り出しを見せた。
初回、豊川は一死から執頭君、松山君、降籏君など三本の二塁打や8番杉浦君のタイムリー左前打などで5点を先取する。ただ、この5点でも三谷水産もひるまず、すぐにその裏に反撃したのは立派だった。
三谷水産は先頭の木村君が菊間君のストレートをはじき返して左前打で出ると、二盗5伊藤聡君も続いて二三塁とすると、長谷君は風にも乗ったが右越二塁打を放って二者を帰す。無死で強豪豊川に3連打と、三谷水産打線も気を吐いた。
しかし、やはり豊川は力では完全に優っていた。
2回にも豊川は無死一二塁から中神君の二塁打に始まって、打者13人で7点を奪った。さらに3回にも、三谷水産のやや緩慢な外野陣の動きと風の影響もあって、単なる飛球が安打や長打になるケースもあり打者15人で大量11点が入った。
豊川は4回にも、打者17人の猛攻で、12点を加える。三谷水産としては、どうにも止めようがないという感じだった。それでも、三谷水産は抵抗を示して4回裏にも三浦君の二塁打や胎動君の右犠飛で2点を返している。こうした反撃姿勢があったので、ものすごい点差ではあったが、そんなに目茶苦茶な試合になったという印象ではなかった。
大差での勝ちとはいえ、豊川の今井陽一監督はバッテリーに関しては大いに不満だった。「相手が1、2ッ、3で振ってきているのに、そこに合わせるようにストレート投げていけば打たれますよ。どういう球で打ち取っていきたいのか、そのあたりのバッテリーの意図が、ベンチにいても伝わり切らないんですね。結局まっすぐで行って、捉えられてしまうということは、まっすぐだけでは通用しないんだよと言うことを分からなくてはいけないんです。そういうことをバッテリーがもっと、理解していかないと…」と、あくまでも上を見据えていく中では、要求は厳しい。それでも、昨秋11月から、社会人野球のたくぎん時代の1年後輩にあたり巨人やダイエー・ソフトバンク、オリックスで投手として活躍した吉田修司コーチが就任して投手陣を見てくれていることになった。そのことで、負担は軽くなったという。だから、その分、チームそのものの全体を見据えていきたいという姿勢だ。
(文・写真=手束 仁)