試合レポート

山梨学院vs前橋育英

2018.10.21

山梨学院の恐怖の2番・菅野が4打数4安打4得点の活躍!7回コールド勝ちで4強へ

山梨学院vs前橋育英 | 高校野球ドットコム
4安打を放った菅野 秀斗(山梨学院)

 ポテンシャルが高い選手が多く揃う山梨学院。その中で最も良い打者はだれか?となると、初戦で本塁打を放った野村健太(2年)ではなく、2番菅野秀斗(2年)である。この選手の良さは操作性が高いバットコントロールである。中央学院戦の第1打席は低めの変化球をとらえて二塁打にしたように、どのコースに対しても、自在にレベルスイングができる打撃はハイレベル。関東大会に進むと、インサイドアウトで鋭い打球が打てる打者が多いが、菅野はどの状況、どのコースでもインサイドアウトのスイングができるのだ。菅野は1回戦に続き、見せ場を作った

 1回裏、無死一塁で打席に回った菅野の場面で、エンドランを敢行。菅野は中前安打でチャンスを拡大。そして3番相澤 利悛(2年)が三塁線を破る適時打で、1点を先制。さらに併殺で1点を追加。2回裏には、二死一、二塁の場面で打席に回った菅野はフルカウントからの7球目に外角ストレートをレフトへはじき返し、左前適時打を放ち、3点目。さらに相沢も右前適時打が飛び出し、4対1とする。そして、無死二塁からまたも2番菅野がストレートをとらえて左中間を破る適時二塁打。これで3打数3安打。一死三塁とチャンスを拡大し、4番野村が外角ストレートを右中間に飛び込む2ラン本塁打で、7対1と点差を広げた。

 5回裏、満塁のチャンスで再び2番菅野。甘く入ったボールを振り抜くと、ライトフェンス直撃の二塁打。これで菅野は4打数4安打4打点の活躍。本当にどのコースにもバットが出て、さらにコースに自在に打ち分けられる。本当に隙がない。だからこそエンドランを仕掛けることができる。

 打席内容を振り返ると、早いカウントからどんどん打っていくだけではなく、また粘りながら甘い球を逃さず、ヒットを放つなど、投手からすれば、嫌な打者だろう。関東大会では7打数6安打、打率.833と大当たり。左右に打ち分けられる打者としてさらに警戒される選手となるだろう。そこから結果を残すことができるか。

 先発・相沢をつないだ駒井 祐亮(2年)が好投。175センチ76キロと中背をした駒井は力強い投球を見せる。左オーバーから繰り出す直球は常時130キロ~140キロと、回転数が高いストレートを投げ込む。内回りのテークバックからトップを作り、真っ向から振り下ろすフォームは角度がある。プロ志望届けを出した垣越 建伸と比べるとタイプは違うが、魅力的。同じ山梨県だと、荘司 宏太駿台甲府)に似たタイプではないだろうか。荘司は2年春から出てきたが、駒井も素質面では負けていないので、145キロまで伸びる可能性は十二分に持っている。

 駒井は巧打者が揃う前橋育英打線相手に3.2回を投げて、被安打2、5奪三振、無失点の好リリーフ。山梨学院が4強入りをきめた。

 県大会では非常に苦しい戦いを見せていた山梨学院だったが、この2試合はしっかりと立て直しているように感じられる。チームが変わっても、素質の高い選手が多く揃っており、背番号10番台の選手でもスイングが鋭い選手が多い。準決勝の相手は春日部共栄横浜の勝者。さらにチームのレベルは高まるが、チーム力を高める良い機会。山梨学院は実りの秋を迎えようとしている。

(文・=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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