山梨学院vs中央学院
山梨学院が2本塁打！硬軟織り交ぜた攻撃で中央学院を圧倒！
本塁打を打った野村健太（山梨学院）
中央学院と山梨学院と夏の甲子園出場校同士の対決は山梨学院が試合を優位に進めていった。
1回裏、一死から2番菅野秀斗（2年）が内角低めのボールをとらえて二塁打。二死から4番野村健太（2年）が中央学院の先発・山下一馬（1年）が投じた外角ストレート（134キロ）をとらえ、左中間に飛び込む2ラン本塁打で先制。野村は180センチ88キロという体格からもわかるように、下半身の強さ、腕っぷしの強さは相当なもので、押し込みがかなり強く、ツボに入ったときの飛距離は関東屈指のものがあるだろう。
3回裏には一死満塁から併殺崩れの間に1点を追加すると、5回表、中央学院は1番青木優吾（1年）がライトへの適時打を打ち、1点を返したが、6回裏、6番小吹 悠人（1年）がインコースの直球を振り抜き、レフトスタンドへ飛び込む本塁打。小吹は180センチ81キロと恵まれた体格を持つ選手で、いわきボーイズ時代は、投手をしており、捕手・栗田 勇雅（2年）とバッテリーを組んでいた。小吹はステップ幅が狭く、腰を鋭く回転をさせて、小回りが利いたスイングで打っていく選手。動きを見るとそつがなく、大型遊撃手として育てていこうという気概を感じさせた。
山梨学院は先発の佐藤 裕士（2年）、7回からリリーフした左腕・相澤 利悛（2年）はともに120キロ中盤～後半と決して早くないのだが、佐藤は打者の手元で沈む球速が遅いスライダーがあり、相沢は縦スライダー、チェンジアップがある。この球を軸に強打の中央学院打線を抑えていった。
千葉県大会では速球、甘く入った変化球をことごとく長打にしていた中央学院打線だったが、沈む変化球に苦しんでいた。
8回裏、山梨学院は7番・高垣 広大（2年）の右前適時打、8番小吹のスクイズ、代打・岸本 捷汰（2年）の適時打が飛び出し、7対1と点差を広げた。9回表、山梨学院は青木の適時打で1点を失ったが、反撃はここまで。山梨学院が準々決勝進出を決めた。
山梨学院は強打、スクイズと硬軟織り交ぜた攻撃ができており、個々の選手もレベルが高い。全国レベルの野球を見せ、盤石な野球を見せてくれた。次なる相手は試合巧者の前橋育英だが、戦いが楽しみである。
中央学院はこれまでしたたかな野球を見せていたが、技巧派投手の対応に課題を残し、畔柳舜（2年）をはじめとした投手陣は関東レベルでは厳しいことも実感したはずだ。畔柳は変にまとめようとしていて、のびやかなストレートが見られない。選抜は厳しくなったが、これを修業期間と捉え、畔柳を含め、別人のような成長を見せることを期待したい。
（文・＝河嶋 宗一）
