札幌大谷vs駒大苫小牧
札幌大谷が5年ぶりの決勝進出!
5打点をあげた石鳥 亮(札幌大谷)
札幌大谷は1対5の5回、1点を返すと、なお二死満塁として五番・石鳥亮外野手(2年)の走者一掃の二塁打で同点。その後、両チーム1点ずつを取り合い、延長へ突入。
10回表、二死一、三塁から八番・佐野翔騎郎外野手(1年)がセンター前へタイムリーを放ち、これが決勝点となった。
2回途中からリリーフした背番号17の右腕・太田流星投手は8回3分の1を投げて球数80。駒大苫小牧打線を1点に抑えた。
エース・西原健太(2年)が与えた2回の4失点は船尾隆広監督も、「先に点を取りたかったが、苦しい展開だった」と語るほど重かった。だが、指揮官が「正直期待していなかった」と苦笑いした2人の打撃が5年ぶりの決勝進出の足掛かりになった。
まずは5回に走者一掃の二塁打を放った石鳥。準々決勝までの2試合で8打数0安打と苦しんでいたが、4回の第2打席で今大会初安打を放ち気持ちが吹っ切れた。5回の一打は「あれでいけるぞという空気になった」と指揮官も讃える。さらに7回には犠牲フライを放ち、この日5打点の活躍だった。
さらにこちらも2試合無安打の佐野。3回にバントヒットを決めると、先頭打者だった5回には二塁打。さらに延長10回に決勝打を放つなどこの日4安打と打ちまくった。「今まで不調が続いていたので、ヒットが出て良かった。昨日家で父と秘密のトレーニングをしてきたので、父にも感謝です」と話し、「秘密なのでどんなトレーニングなのかは言えない」と笑った。指揮官も、「練習を真面目にやっている子。普段の姿勢が、今日に繋がったのではないか」と1年生を讃えた。
5年ぶりの決勝進出。試合後には3回の打席の際にヘッドスライディングで負傷して病院に向かった一番打者の北本壮一朗(2年)が戻ってきて、ナインと抱き合った。「肩が抜けていたので、入れてもらった」と話していただけに、台風(温帯低気圧)の接近で1日休みができたのは大きい。5年ぶりの決勝。決勝打の佐野は「今日の試合の勢いを含めて、今が一番チームの状態が良い。勝ちたい」と力強く語った。
(文=松倉雄太)