試合レポート

佐倉南vs柏の葉

2018.09.22

佐倉南の集中力・勢いを削ぐ柏の葉の集中打!

佐倉南vs柏の葉 | 高校野球ドットコム
適時打を打つ永瀬(柏の葉)

 佐倉南柏の葉の一戦。佐倉南は地区予選で千葉敬愛を破っている情報を聞くと、佐倉南が有利という感じる方もいるだろう。しかしこの試合は柏の葉が優位に進めた。

 1回裏、柏の葉は二死一、三塁で、5番・下村千輝(2年)が打ち上げた捕手フライがフェアグラウンドに落ち、1点を先制。なおも二死一、三塁から6番永瀬 龍叶(1年)の右前適時打で2点目。さらに4回裏、一死満塁から2番蜂谷 友規(2年)の中前2点適時打、なおも二、三塁から3番志摩蓮斗(2年)の2点適時打で6対0とする。

 追う佐倉南は二死一塁から1番持田玖久(2年)が右中間を破る適時二塁打で6対1とする。佐倉南の攻撃を振り返ると、安打を打って走者は出塁するが、あと1本が出ない状態が続く。

 柏の葉はエース・佐藤幹太(2年)が6回途中でマウンドを降りたが、2番手の下村が後続を抑える。7回表、二死一塁から佐倉南の2番・飯塚清志(2年)の左越え適時二塁打で1点を失ったが、後続を抑え、柏の葉が6対2で勝利し、2回戦進出を決めた。

 柏の葉は選手登録が13人しかいない。その中でもここぞで見せる集中打や粘り強い守りは、佐倉南の集中力と勢いをそぐもので、人数が少ないチームの戦い方の参考になるだろう。

 佐倉南は一次予選の千葉敬愛戦と比べると粘り強さがなかった。また戦い方に焦りが見られた。7回表には走塁ミスが2つ。ヒットで走者を出しても、焦りが見られ、凡打になってしまう。こういう戦いになってしまったのは1回裏にミスから点を失い、その流れのままずるずるいってしまったのもあるだろう。

 今後の試合では、ピンチの場面での守りのミスをなくすことが大切になるが、県大会になれば、今回のような厳しい戦いが当たり前なのだから、それをはねのける強さを春まで身に着けることができるか。

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好守備が光った持田(佐倉南)

 個人では1番持田が光った。一次予選から光っていた守備はさらに磨きがかかり、右、左へ転がる打球を軽快に処理して、捕球してから送球の移行も速く、スローイングの確実性も高い。今年の千葉県では上位クラスに入る。この試合では右中間を破る適時二塁打、中前安打、さらにはフェンス際へ鋭い左飛を放った。ようやくだが、恵まれた体格を生かした打撃ができるようになっている。

 これまで1番打者という役割を意識しすぎて、不用意にセーフティバントをするところがあった持田。それよりも自分のポテンシャルの高さを信じて、最大限に引き出すよう、フルスイングに徹するべき選手である。

 今回の打撃を見ると、しっかりとトップを作って、ボールの下側をとらえるスイングを見せていた。打撃の方向性は間違いなく一次予選より良い。

 まだスイングスピードは物足りないが、ここからしっかりと体を作り、そして下半身、腰の回転速度が速くなり、それによって遠くへ飛ばすポイントをつかめば、一気に本塁打量産できる可能性を秘めている。

 県内ではなかなかいない身長180センチ越えのショート。今後は自分のポテンシャルを伸ばし、それを引き出す打撃にこだわってほしい。

(文・写真=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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