試合レポート

金足農vs大垣日大

2018.08.14

金足農・吉田が最速149キロのストレートを武器に13奪三振の快投! 終盤、大友の一発で大垣日大を振り切る!

金足農vs大垣日大 | 高校野球ドットコム

 第100回全国高校野球選手権大会の10日目。第2試合は初戦で14三振を奪って好投した吉田 輝星(3年)を擁する金足農(秋田)と、堀本 洸生(3年)の満塁本塁打と小野寺 優斗(2年)の2本塁打などで9得点を奪い逆転勝利を挙げた大垣日大(岐阜)が対戦した。

 07年夏の1回戦と同じカードになった一戦。その時は大垣日大が2対1で金足農を下したが、今回は果たして……。

 試合は序盤から動き出す。1回表、金足農は先頭の菅原 天空(3年)がレフト線二塁打。続く佐々木大夢(3年)のバントはキャッチャーの野選となり一三塁。吉田は二ゴロで併殺となったが、4番・打川 和輝(3年)の2球目、外角高めのボールを捕手が後ろへ逸らしてしまいパスボールで金足農が先制した。

 大垣日大もその裏、大竹 駿也(3年)のヒットをきっかけに野選とエラーで一死満塁とすると、5番・小野寺 優斗(2年)がフルカウントから144キロの真っすぐをセンターへ弾き返して同点。なおも満塁のチャンスが続いたが、16705(2年)のスクイズは吉田がグラブトスで本封。堀本はアウトローへの147キロの真っすぐで見逃し三振と追加点は奪えなかった。

 すると2回表、金足農は死球と犠打で一死二塁とし、7番・菊地 彪吾(3年)が右中間へ適時三塁打を放って勝ち越し。なおも三塁に走者を置き、菊地 亮太(3年)はさかんにセーフティースクイズの構えを見せて大垣日大の先発・内藤 圭史(2年)を揺さぶると、有利なカウントになった3ボール1ストライクからスクイズを決め、3対1とリードを広げた。

 大垣日大は3回表から2番手の杉本 幸基(3年)をマウンドに送ると、1番・菅原天を縦のスライダーで空振り三振。続く佐々木夢を横のスライダーで見逃し三振に仕留め、流れを引き寄せる。直後の3回裏の攻撃では二死から四球と中山の右線二塁打で二三塁とし、ここでピッチャーの杉本が真ん中に入ったストレートをレフトへ打ち返す2点適時打で再び同点に追いついた。

 中盤は両投手の踏ん張りで0行進が続いたが、8回表。金足農は一死から5番の大友 朝陽(3年)がファウルで粘った末に12球目のインコースの真っすぐを思いきり良く振り抜くと、打球はレフトポール際に消えるソロホームラン。4対3と勝ち越すと、貴重な1点をもらった吉田はその裏、ギアチェンジ。4番・修行 恵大(3年)をインローの真っすぐで、5番・小野寺と6番・中山は共に146キロのアウトローの真っすぐで3者連続見逃し三振と圧巻の投球を見せた。そして、9回表には菅原天の適時三塁打と吉田のタイムリーで2点を追加した金足農は6対3で大垣日大を下し、11年前の借りを返した。

 金足農はエース・吉田が13奪三振で完投勝利。中盤からは変化球で緩急を付ける投球を見せ、リードを奪った終盤の8回からは140キロを越える力のあるストレートを連発。9回にはこの試合最速となる149キロを何度も記録するなど、相手打者を力でねじ伏せる剛腕ぶりを見せつけた。打線は勝ち越し点こそホームランだったが、スクイズを含む6犠打と持ち味である粘っこい野球で6得点。攻撃的な野球が全盛を迎えようとしているなか、最少得点差でも勝てるというエース・吉田への絶大な信頼感を感じさせた。

 大垣日大は3回から登板した杉本が140キロを超えるストレートとキレの良いスライダーで好投。ベンチの阪口慶三監督も6回から敬遠策をとるなど1点を防ぐ采配をとってきたが、まさかの一発でプランが狂い終盤に力尽きた。攻撃面でも得意のエンドランが決まらず3併殺。6回以降の4イニングはノーヒットで8三振と完全に封じ込められ、初戦で見せた長打力を発揮することができなかった。

 投打がかみ合い接戦を勝ち上がった金足農。3回戦は大会13日目の第2試合で花咲徳栄(北埼玉)と横浜(南神奈川)の勝者と対戦する。

(記事=文:大平 明

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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