二松学舎大附vs広陵
継投策で広陵打線を封じ込めた二松学舎大附が3回戦へ!
大会第8日目の第1試合は二松学舎大付(東東京)と広島広陵(広島)の一戦だった。
日曜日、そして好天ということもあり、早くから多くのファンが駆けつけた[stadium]甲子園球場[/stadium]。そのファンの盛り上がりに呼応するかのように初回から試合は動く。
1回裏、二松学舎大付は先頭の右田稜真(2年)が安打で出塁すると、犠打で一死二塁。平間陸斗(3年)は内野安打で出塁し一死一、二塁のチャンスを作る。ここで4番・保川遥(3年)が左中間を破る適時二塁打。広島広陵の先発・森悠祐から2点を奪うことに成功する。森のストレートは140キロを超えるが、制球が定まらず球のばらつきが見られる立ち上がりとなった。
一方の広島広陵は2回に先頭の河端利晶(3年)が二塁打で出塁するも、金沢礼大(3年)のバントは投飛となり二塁走者が戻れず、併殺となった。つづく松本知樹(3年)が二塁打を放っただけに、併殺が悔やまれる。結局、この回の広島広陵は無得点。
広島広陵の森は2回以降立ち直り味方打線の反撃を待つ。
迎えた4回表、広島広陵は2つの四死球と安打で一死満塁のチャンスを作ると、二死後に高田桐利(3年)が適時打を放ち1点を返すことに成功する。
ここで二松学舎大付は先発の海老原凪(2年)を諦め、エースナンバーを背負う岸川海(3年)にスイッチ。二死満塁の場面だったが後続を打ち取り、広島広陵はこの回1点止まり。岸川は一打逆転という場面での登板だったが、全球140キロを越えるストレートで押し込んだ気迫のこもった投球を見せる。
5回表、広島広陵は先頭の福光竜平(3年)がソロ本塁打を放ち、2対2と試合は振り出しに戻る。
6回裏、広島広陵の森が圧巻の投球を見せる。初回に適時二塁打を許した保川を空振り三振に仕留めると、畠山大豪(3年)、野村昇大郎(2年)も連続三振と3者連続三振。この回の最速も145キロと試合中盤になっても球速は衰えない。
尻上がりに調子を上げていた広島広陵の森は7回に崩れる。安打と野選が絡み一死二、三塁のピンチを招くと右田に初球のストレートを右前へ運ばれ2点を失ってしまう。その後、保川にも適時打を浴びこの回3失点。この回の最速こそ142キロだったが、ストレートの球速にばらつきが見られるようになる。しかし、森の意地なのか、二死一、二塁の場面で畠山に対して内角へ141キロのストレートを投げ込み見逃し三振を奪う。
5対2と二松学舎大付が3点リードで試合は終盤戦に突入する。
8回表、広島広陵は先頭の河端が内野安打で出塁し無死一塁。3点のビハインドということもあり、ここで選択したのは強攻策。しかし、宗山塁(1年)のあたりは遊撃手の正面。ボールは二塁、一塁へと転送され併殺となってしまう。先頭打者が出塁したものの、この回無得点に終わってしまう。
8回裏から広島広陵は2番手の河野佳(2年)をマウンドに送り込む。140キロを超えるストレートで二松学舎大付に追加点を与えず、最終回の攻撃に全てを託す。
9回表、広島広陵は四球とセーフティーバントで一死一、二塁のチャンスを作るが、最後は併殺に打ち取られ試合終了。5対2で二松学舎大付が勝利した。
二松学舎大付は東東京大会と同じく、継投策で広島広陵打線を2点に封じ込めた。絶対的エースが不在のなかで海老原、岸川がしっかりと役割を果たした格好だ。この試合で出番はなかったが、東東京大会でチーム最多の5試合、20.1回を投げている大庭颯仁(2年)も控えている。
次戦はどのような継投策を見せてくれるのだろうか。市原勝人監督の采配に注目したい。
(記事=文:勝田 聡)