済美vs新田
済美、特大2発で新田の悲願を打ち破る!
衝撃の明徳義塾敗退含め、第1シード校が4県ともに甲子園に進めなかった大波乱の四国地区・第100回全国高等学校野球選手権記念大会もいよいよ最終日。香川県37試合・徳島県30試合、高知県27試合、愛媛県58試合のフィナーレを飾る152試合目・愛媛大会決勝戦はセンバツは2回出場も夏はいまだ甲子園出場がない新田と、2年連続の甲子園出場へ王手をかけた済美との間で行われた。
試合は両エースの素晴らしいピッチングでテンポよく進行する。済美・山口 直哉(3年・171センチ64キロ・右投左打・南あわじ市立三原中出身)が130キロ中盤のストレートを使いながら打たせて取る内容に徹すれば、新田・田井 惣士(3年主将・178センチ75キロ・東温市立川内中出身)は春先に済美から14三振を奪った練習試合のイメージそのままに縦スライダーを駆使して3回まで3連続含む6奪三振。4回表まではきれいに0が7個並んだ。
とはいえ、酷暑の連戦は投手戦の継続を許してはくれなかった。4回裏・一死二塁から済美6番・山口 直哉が中越先制二塁打を放つと、試合は一気に動き始める。さらに済美は5回裏に無死満塁とすると、3番・芦谷 泰雅(2年・捕手・169センチ73キロ・右投右打・伊予三島リトルシニア出身)が肩口からのスライダーを完ぺきにとらえ左翼ポール際へ突き刺すグランドスラム。一方の新田も6回表、連打と犠打で得た一死二・三塁から3番・川﨑 大悠(3年・二塁手・170センチ72キロ・右投左打・伊予三島リトルシニア出身)が二塁手頭上を鋭く破る2点適時打を放ち5対2。試合は様相を変えながら再び接戦に入るかと思われた。
しかし6回裏、済美の4番・池内優一主将が新田の夢を打ち砕く。二死一・二塁から池内 優一(3年・三塁手・右投右打・180センチ82キロ・今治中央ボーイズ出身)の打球はぐんぐん伸びてバックスクリーン中段へ。2012年秋・当時丹原1年の越智 達矢(現:明治大4年・侍ジャパン大学代表)以来となる「坊っちゃんスタジアムバックスクリーン弾」は済美の2連覇を約束するものとなった。
済美・山口は最終回に二死から満塁のピンチを招くが、最後の打者を遊ゴロに仕留め7安打2失点完投。「甲子園で勝つために」を常に掲げて練習に励む済美は、昨年の2勝以上=ベスト8以上を目指して再び約束の地へと戻る。
(レポート=寺下 友徳)