松山商vs小松
松山商「打撃」で小松に勝り、13年ぶり4強へ!
現:西濃運輸エースの堀田 晃。セガサミーに所属する左腕・越智 洸貴。先の都市対抗でHondaを破ったJR四国の主軸・髙木 ちから。このようなキラ星輝くタレントを有しながら、当時1年生の済美・安樂 智大(現:東北楽天ゴールデンイーグルス)に屈した2012年愛媛大会準々決勝から6年。ついに名門・松山商が準々決勝の壁を破り、13年ぶりの準決勝へと駒を進めた。愛媛小松相手に勝利を決めたその瞬間、坊っちゃんスタジアムは歓声と同時に、感慨深い空気に包まれた。
ただ、この躍進は「伝統の守り」だけによってもたらされたものではない。「冬の間に力を入れてきた」(重澤 和史監督)打撃が機能したことが大きかった。大会直前に高校通算13本塁打の4番・山内 敬太(3年・177センチ77キロ・右投右打・松山市立南第二中出身)をケガで欠くアクシデントがあっても、タフに相手投手に対峙し続けた彼らは、この愛媛小松戦でも一死二・三塁から山内の代わりに4番・捕手を務める佐藤 勇斗(2年・181センチ82キロ・右投右打・えひめ西リトルシニア出身)の中犠飛を皮切りに、愛媛小松に逆転を許した2回表にも二死二・三塁から1番・桧垣 翔(3年主将・二塁手・162センチ56キロ・愛媛松山ボーイズ出身)のコースに逆らわない中前2点適時打で逆転。
さらに3対3で迎えた5回表には3番・大村 玄(2年・左翼手・174センチ70キロ・右投右打・)の左前2点打などで5点を入れ、一気に愛媛小松を突き放した。愛媛小松打線も12安打。特に初回は一死後5連打と強打の片鱗を見せたものの、13安打中10安打が得点に絡んだ松山商を凌駕することはできず。準決勝では新田の前に屈した松山商だが、伝統の上に立脚した「打撃」は、混戦模様の第100回記念愛媛大会に確かな足跡を記したことは間違いない。
(レポート=寺下 友徳)