関東一vs日大豊山

　東東京も20日から5回戦に突入。ここからはさらなる熱戦が予想されるが、[stadium]神宮球場[/stadium]の関東一と日大豊山の試合は、初回から激しい打ち合いを見せる

　関東一の先発はエースの藤本幸輝。スリークォーター気味の投球フォームから速球と切れ味鋭い縦の変化球が武器。その藤本は初回を三者凡退に抑えて裏の攻撃に繋げたいところだったと思うが、日大豊山の1番・佐藤優太に内角高めのボールをレフトフェンスに直撃する二塁打を打たれる。

　まさかの先制パンチを受けて動揺をしたのか、続く2番・青木尚大には四球を与え自らピンチを広げると、3番・西村達貴には内野安打を打たれてまさかの無死満塁。初回からいきなり大ピンチを迎える関東一。

　4番・村髙尭をセンターフライに仕留めて、何とか一死取るも続く5番・平林昇希には打ち取った力のない打球を一、二塁間に運ばれ、平林を一塁で何とかアウトにするも、ホームには投げれず三塁ランナーはホームイン。先制点を日大豊山に奪われる。

　不運な形で失点した負の連鎖はこれでは終わらない。6番・金井大樹には死球を与えてしまい二死ながら再び満塁にしてしまうと、7番・鈴木一央の時に二塁に投じた牽制球で手痛いミスをしてしまい、この回2点目を日大豊山に与える。

　いきなり2点のビハインドを追う関東一。しかし、直後の攻撃で強烈なカウンターパンチを日大豊山にお見舞いする。
　1番・斎藤未来也が日大豊山先発の名倉侑田から俊足を飛ばして内野安打をもぎ取ると、続く2番・大久保翔太はバントヒットで無死一、二塁。反撃の狼煙を上げるには最高の形で強打者・石橋康太が打席に入るが、四球を選んで無死満塁。

　先ほど日大豊山にやられた攻撃をお返しするかのように関東一はチャンスを作ると、4番の松田一師が初球をレフトに弾き返す。この当たりで三塁ランナーはもちろん、二塁ランナーも一気にホームに返り関東一がすぐさま同点に追いつく。

　チャンスは続き、6番・冨樫智也が一死二、三塁からライトへ犠牲フライを上げて、この回3点目。関東一の見事なカウンター攻撃で勝ち越しに成功する。

　初回に思わぬ先制パンチを受けた関東一の先発・藤本だったが、1点リードをもらった2回以降はヒットを許しても味方の守備にも助けられながら粘りのピッチングで日大豊山の反撃を食い止める。

　しかし5回、遂に日大豊山が藤本を攻める。
　5回先頭の2番・青木に見事な流し打ちで左中間を破られ、無死二塁。得点圏にランナーを背負う藤本は続く3番・西村をライトフライに斬って取るも、4番・村髙にスライダーを上手くレフトまで運ばれ日大豊山に同点を許す。

　状況は一死一塁となったが日大豊山の攻撃はまだ続き、5番・平林にはレフトへヒット、6番・金井のところに出てきた代打・冨居拓夢を味方のエラーで出塁させて一死満塁。7番・鈴木を三振に抑え二死満塁とするも、8番・名倉にセンターへタイムリーを打たれる。

　三塁ランナーは悠々ホームイン、二塁ランナーは一気にホームを狙うが、センター・斎藤がノーバウンドで送球して見事ホームタッチアウト。斎藤の強肩で2点目を防いだ関東一ではあるが、この一打で3対4の1点ビハインドとなってしまった。

　だが初回同様、関東一は強烈なカウンター攻撃で日大豊山を圧倒する。
　失点直後の関東一の攻撃、1番・斎藤が内野安打、2番・大久保が死球を受けて無死二塁。初回と同じような展開で3番・石橋がバッターボックス。前の打席はセカンドゴロに抑えられ、ここまで当たりがなかった石橋。だがここ一番で大事な仕事をやってのけた。

　2ボールから日大豊山・名倉の内角のボールをレフトに打ち返すと、打球は見事な放物線を描いてスタンド中段へ。この石橋のホームランで3点を奪い、関東一が再びリードを奪う。

　これで勢いに乗った関東一は、続く4番・松田のヒットと5番・泉健太の四球で追加点のチャンスを作ると、7番・冨樫のライトへのタイムリーなどでこの回一挙5得点の関東一は試合の主導権を握った。

　4点のリードをもらったマウンド上の藤本は、9番・小杉遼から始まる6回の日大豊山の攻撃を三者凡退に斬って取る。すると裏の攻撃、4番・松田、5番・泉の二者連続タイムリーでさらに2点を追加して日大豊山を突き放す。

　最後は関東一の5番・泉がセンターへの満塁ホームランで14対4とした関東一が準々決勝進出を決めた。

（レポート＝編集部）