修徳vs実践学園
修徳が実践学園投手陣を攻略!4年連続ベスト8進出!
実践学園と修徳の一戦。この試合で注目されていたのは、実践学園の先発は149キロ右腕・小山直弥(3年)である。
自慢の速球が強打の修徳打線にどこまで通用するのか注目されたが、自分の実力を出し切ることなく終わってしまった。
立ち上がりから調子が出ない。ランナーがいなくてもセットポジションから始動し、左足を真っすぐ上げてから、すぐに沈み込むステップ幅が狭い投球フォーム。球速は135キロ~140キロを計測しているが、どうもストライクに入れることで精いっぱいなのか、フォームがおとなしい。上半身主導のフォームでも、しっかりと体幹を使って鋭く体を回旋させることができるか。この試合の小山は左肩の開きが早く、しっかりと体を回転できずに投げる「手投げ」になっている。1回裏は無失点に切り抜けたものの、2回裏は無死満塁のピンチを招き、押し出し死球を与えたところで交代。小山にとっては悔やんでも悔やみきれない降板となってしまった。
小山のように、ステップ幅が狭い投球フォームで投げる投手は上半身を鋭く回旋できないフォームだと得てしてこういう傾向になりやすい。はまったときはすごいボールを投げる予感をさせるが、次のステージでは良いボールを投げられる確率を高めるための努力をしてほしい。さらに併殺崩れで1点を失い、2回裏まで修徳が2点をリード。
実践学園も3回表、二死一、三塁からダブルスチールで1点を返す。だが3回裏、修徳の3番坂本大起(3年)が甘く入った直球を逃さず、レフトスタンドへ飛び込む本塁打で1点を追加。坂本は2試合連続弾。スクエアスタンスで構え、しっかりとトップを作って、内回りのスイングでボールをとらえる選手。パワーはあり、セカンドの守備を見ていても躍動感があり、運動神経が優れた強打の二塁手だ。
しかし5回表、実践学園は5番藤原 有希(3年)がレフトスタンドへ飛び込む本塁打で1点差に迫る。
すぐ突き放すことができるのが修徳。5回裏には一死満塁から6番須藤の中前適時打と7番染田の中犠飛で5対2と突き放す。さらに6回裏にも二死二塁から坂本の適時打で1点を追加。7回裏にも二死二塁から1番横手大路(3年)の二塁強襲安打。打球が転がる間に1点を追加した。
投げては左腕・竹田大輝(3年)が120キロ前半の直球とスライダー、カーブ、チェンジアップを巧みに投げ分け2失点完投勝利。
修徳が4年連続でベスト8進出を決めた。修徳は野球が手堅い。夏へ向けてきっちりと仕上げるチーム作りはさすがだ。
実践学園は自慢の投手陣が最後まで状態をピークに持って行けず敗れた感じが強い。夏の苦い経験を次のステージで生かしてほしい。
(レポート=河嶋宗一)