試合レポート

都立江戸川vs都立大島

2018.07.19

泊広哉の完封で都立江戸川は5回戦へ!

 8回終わって0対0。ヒットの数も両校合わせて8本。エラーはどちらもなし。数字からもわかる息が詰まる投手戦。こんな試合を演じた[stadium]江戸川区球場[/stadium]の都立江戸川vs都立大島の4回戦を見ていく。

 都立江戸川は初回、二死から3番・清水栄佑が初球をライトへ打ち返し、さらに4番・小河翔暉の打席で盗塁を決めて二死二塁の先制のチャンスを作るも、小河がファーストフライに抑えられてしまい先制とはならなかった。
 続く2回には7番・田澤昇大がレフト、8番・広森健人がセンター前にヒットを放ち、再び先制のチャンスを作る。だがこの回も、9番・齋藤史弥がライトフライに倒れ、またも先制点を奪えない。

 一方、都立江戸川先発は前回の都立小松川戦で先発をした泊広哉がマウンドに上がる。その泊は小さいテイクバックから真っすぐと縦の変化球を駆使して都立大島打線に向かっていき、5回までに許したヒットは2回の5番・荒田奏斗、そして5回の7番・山口来佳のそれぞれに打たれたセンター前のヒット2本のみで、四死球もわずか2つという完ぺきな内容で味方の援護を待ち続けた。

 だが打線は、都立大島の荒田の変則的なフォームから投げられる外角へのコントロール抜群のピッチングを前に、5回までに散発4安打に抑えられてしまう。

 完全な投手戦となったこの試合。この均衡は整備明けの6回以降も続いていく。間違いなく先取点がこの試合の決め手となるそんな試合は、終盤7回から動きが出てきた。

 7回の都立江戸川の攻撃は一死から6番・鈴木颯人がヒットと盗塁で得点圏まで進塁すると、7番・田澤がライトフライに倒れた後、代打・若林暖、9番・齋藤それぞれが四球で歩き二死満塁の絶好のチャンスが訪れる。遂に先取点が都立江戸川に入り込むかと思われたが、1番・吉野陸人がセカンドゴロに倒れチェンジ。三度先制点に繋げることができない。

 再三チャンスを作っているにもかかわらず得点に結びつけられない都立江戸川は8回も無得点に終わると、直後の守備でピンチが訪れた。
 都立大島の6番・前田光春にライト前のヒットを打たれると、8番・里見晃太郎の打席の時に盗塁を決められる。二死二塁、一本出れば先取点が都立大島に転がり込むピンチで、それは起きた。

 8番・里見に四球を出した時、二塁ランナー・前田が意表を突く三盗を敢行。しかし都立江戸川キャッチャー・田澤は落ち着いて三塁にボールを投げ、タッチアウト。思わぬ形で都立江戸川はピンチを脱した。

 これが試合を分けるポイントなった。直後9回に都立江戸川の攻撃で、6番・鈴木がサード強襲のヒットを放つ。この時グローブに当たって外野の方に弾いたボールを都立大島野手陣が追いかけている間に、鈴木は二塁まで到達し記録は二塁打となった。

 無死二塁のチャンスを逃すまいと、都立江戸川は7番・田澤がレフトにヒットを放ちチャンスを広げると、8番・途中出場の若林が3球目をレフトに弾き返し鈴木がホームイン。遂に都立江戸川が先制し、試合の均衡を崩した。

 さらにチャンスは続き、9番・齋藤は抑えられるも1番・吉野が左中間を真っ二つに割る二塁打で貴重な追加点も入れた都立江戸川が3対0とする。

 最終回の守備は都立大島の9番・佐藤真美から始まる攻撃を3人で仕留め試合終了。3対0で都立江戸川が5回戦進出を決めた。

 都立江戸川の先発・泊は被安打3、与四死球4で完封。なかなか援護点が入らず我慢のピッチングだったが、最後まで投げ切ったことは素晴らしかった。一方負けはしたが、都立大島の先発・荒田も素晴らしいピッチングを見せてくれた。特にアウトローへの制球力はかなりの自信を持っているように見え、この試合を通じて彼の生命線は間違いなくそこへの制球力だった。荒田はまだ2年生。来年、さらにスケールアップして東京を代表する投手になることを期待したい。

(レポート=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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