膳所vs湖南農
膳所が逆転で初戦突破
21世紀枠で今年のセンバツに出場した膳所が登場。立ち上がりに3点を先制される展開となったが、逆転で初戦を突破した。
膳所の先発は背番号11の右腕・長野友樹(3年)。1回表、湖南農は長野の立ち上がりを攻める。一死から2番の田中督真(3年)が四球で出塁すると、次打者の2球目に盗塁を決めて得点圏に走者を進める。ここで3番の北野宏征(3年)が右中間へ適時二塁打を放ち、1点を先制。さらに続く本郷玖磨(3年)も右中間へ適時二塁打を放ち、2点目を挙げる。犠打で二死三塁となった後、6番の太田雄也(2年)の右前適時打でもう1点追加。湖南農が見事な先制攻撃を見せた。
援護を貰った湖南農先発の大石竜也(2年)は緩い球を有効に使い、1回裏の膳所の攻撃を三者凡退に切って取る。立ち上がりは完全に湖南農のペースだった。
しかし、2回裏に膳所が意地を見せる。失策で出塁した走者を犠打で進め、一死二塁とすると、6番の石川侑暉(2年)が右翼手の前にポトリと落ちる適時打を放ち、まず1点を返す。そして続く石川唯斗(3年)がライト線を破る適時三塁打を放ち、1点差。さらに有川耀翔(3年)の遊撃ゴロが相手の失策を誘い、石川唯が生還。早くも同点に追いついた。
同点に追いついた膳所は一気に試合の主導権を握る。3回裏に一死一、二塁のチャンスを作ると5番の今井竜大(3年)の右前適時打で1点を勝ち越すと、さらに二死二塁から石川侑が左前適時打を放ち、追加点を挙げる。5回裏にも4番・川村いつき(3年)の適時打で1点を加え、3点リードで前半戦を折り返した。
膳所は6回裏にも一死二塁から1番の星田昌慶(3年)右越え適時三塁打で1点を加えると、続く伊東篤志(3年)も左越え適時三塁打を放ち、もう1点追加。リードを5点に広げた膳所が試合を決定づけた。
立ち上がりこそ3失点した長野だが、尻上がりに調子を上げて7回以降は一人の走者も許さない好投を披露。8対3で膳所が湖南農を下し、2回戦進出を決めた。
初戦の立ち上がりという難しさから序盤こそ劣勢を強いられた膳所だったが、焦ることなく徐々に自分たちのペースに試合を運べた点はセンバツより力が付いた証拠だろう。甲子園では登板のなかった長野も勢いのある直球とカーブやスライダーを上手く投げ分ける好投手で今後が楽しみな存在だ。
選手13人の湖南農だが、バットがしっかりと振れており、初回の先制攻撃は見事だった。回を経るにしたがって膳所に流れを持って行かれたが、力は出し切れたのではないだろうか。3年生が引退して選手は6人に減り、秋は連合チームを組むことになりそうだが、もう一度力を付けて夏にチャレンジしてほしい。
(文:馬場 遼)