観音寺総合vs高松西
観音寺総合、7点差からの大逆転で高松西をうっちゃる!
試合の流れが急激に変化する難しい試合。そのスタートピストルはスタメン9人中・唯一の「旧:三豊工」、観音寺総合先発・細川 寛太(3年・右投右打・174センチ74キロ・三豊市立仁尾中出身)の「球速帯異変」によって鳴らされた。
通常はストレートやスライダー、チェンアップを120キロ台の球速帯に集める細川。「スピードのない投手が打者を打ち取るためには、ストレートと変化球の球速帯をできるだけ近づけていくことが必要」(土井 裕介監督)観音寺総合の戦いに最も適合した右腕である。 ところが、この日は初回からストレートは130キロ台、時には133キロをマーク。端的に言えば速すぎた。
こうしてストレート・変化球の球速差が付き、いわゆる「打ちごろ」になった観音寺総合・細川に高松西打線は一気に襲い掛かる。初回に4番・定浪 晃大(3年主将・捕手・178センチ71キロ・右投右打・高松市立勝賀中出身)の左前適時打で先制すると、2回表も脚力・守備力共に今後が楽しみな2年生1・2番、前川 遼太(中堅手・右投右打・159センチ60キロ・高松市立龍雲中出身)、内山 翔斗(遊撃手・166センチ58キロ・右投右打・高松市立屋島中出身)の連続適時打で3点追加。さらに6回表には内山の中越2点三塁打などで7-0。試合を決めたかに思われた。
ここで観音寺総合・土井監督は細川を他ポジションに残さず、左翼手の北山 楓太(3年・170センチ70キロ・右投右打・三豊市立詫間中出身)をマウンドへ。「背水の陣」で8点目を封じに行く。結果的にこれが大きく試合を動かした。
北山は次打者を三振にとって後続を断つと、6回裏は5番・佐栁 侑樹(3年・172センチ82キロ・右投右打・多度津町立多度津中出身)が2点適時打。そして「ラッキー7」7回裏は先頭打者からの6連打を含む8者連続出塁。1番・東原 一毅(3年・中堅手・166センチ68キロ・右投左打・高松市立龍雲中出身)の満塁走者一掃適時打などでおいすがり、暴投で7-7同点。さらに再び佐栁が決勝適時打を放って計7得点。打者13人を送り込んだ長い攻撃で高松西の反撃意欲を削いだ。
結果は10対7で春の県大会ベスト4入りの観音寺総合が勝利。2017年4月、観音寺中央と三豊工が統合した後も脈々と引き継がれる両校の共通ワード「粘り」は、この大逆転勝ちを通じてさらに強固なものとなった。
(レポート=寺下 友徳)