作新学院vsれいめい
「個の力」より「組織の力」の差、痛感・れいめい
作新学院の得点シーン
作新学院は3回、一死からエラー、内野安打、代打・大河内 陸斗(2年)のレフト前ヒットで二死一二塁とすると、4番・沖龍(3年)がライト方向へ走者一掃の三塁打を放ち、2点を先取した。
れいめいは5回まで3番・川口 孝(3年)の2安打のみに抑えられていたが、6回裏、一死から1番・巻木 和也(2年)がライトスタンドでソロを叩き込み1点を返す。
終盤も毎回のように作新学院がチャンスを作りながらも、れいめいはエース松江 優作(3年)が踏ん張って追加点を許さず。打線の援護が期待されたが、こちらも追加点が奪えず1点差で敗れた。
1点差の「惜敗」だったが「四死球、エラーを出さない。先頭打者は抑えられる。こちらが流れを引き戻すきっかけさえ与えてもらえなかった」とれいめい・湯田太監督は脱帽した。
作新学院の野手のフットワークや打球に対する反応の速さが際立っていた。「良い当たりと思った打球が相手の正面ということが何本もあった」(湯田監督)
決して偶然ではない。「捕手の配球ごとに野手が守備位置を変えている」のをエース松江は打席で感じた。つまりは投手がしっかり捕手の要求通りに制球できているので、野手も打つ方向が予測でき、打った瞬間に思い切ったスタートが切れる。れいめいとしては「打った」というよりも「打たされた」感覚に陥ってしまう。
この試合の作新学院は途中交代も含めて18人の選手が出場。湯田監督は「代わって出る選手も同じようなレベルのプレーをしていた」と感じ「個の力の差はそこまで感じなかったが、組織としての力の差を感じた」と言う。
とはいえ、相手の力に脱帽しっぱなしでは同じ春の県大会優勝校のプライドが泣く。「この試合で経験したこと、感じたことをこれからに生かして欲しい」と湯田監督は選手の奮起を期待した。
エース松江は9安打されたが2失点と好投。直球、スライダーに加えて縦のカーブが良いアクセントになり、回を追うごとに腕が振れて緩急を活かした投球がさえた。「自分の投球が通用する自信がついた」投球内容だった。同時に「良い投球から攻撃にリズムを作る」ことをこの日のテーマに掲げていたが、それはできなかった。夏までに取り組む課題がはっきり見えた。
(取材・写真=政 純一郎)