習志野vs市立柏
習志野、投打に盤石 市立柏を下し、3回戦へ!
古谷拓郎(習志野)
千葉大会3日目。この日で、ベスト16が出揃い、夏のシード権を獲得する16チームが決定する。前年夏準優勝・昨秋ベスト4の習志野が登場し、市立柏と対戦した。
先制したのは習志野。3回裏、8番佐藤 将聖(3年)が右越えの二塁打を放ち、9番石川 大智(3年)の犠打で一死三塁のチャンスを広げると、1番根本 翔吾(2年)がセンターへ大きな犠飛を放ち、1点を先制する。
投げては先発の佐藤が好投。八日市場二中時代に侍ジャパンU-15代表を経験した技巧派右腕は、直球のスピードは常時120キロ後半~132キロと決して速いわけではないが、内外角への制球力が非常に高い。いつでもストライクが取れる120キロ前後のスライダー、125キロ前後のカットボール、120キロ前後のフォークと球速が速い変化球をしっかりと投げ込めるのが佐藤の長所。特にスライダーは左打者のひざ元に投げ込んでストライクを稼ぐなど精度の高い投球を見せていた。
6回表、市立柏は好投の佐藤をとらえ、二死から4番矢代 航大(3年)の右前安打、5番五十嵐 尉(2年)が振り逃げで出塁し二死一、二塁とする。6番内山 貴斗(3年)が初球をとらえた痛烈な当たりは左前適時打となり、同点に追いつく。
内山は第1打席でもフェンス直撃の左越え二塁打を打っており、存在感を示した。内山は振り幅が大きいスイングからボールをとらえ、リストの強さで鋭い打球を打ち返す右の強打者。ショートの守備を見ても、三遊間の深い位置から強いスローイングができる強肩が持ち味だ。
だが6回裏、市立柏は一死一、二塁のピンチを招いたところで投手交代。ここまで力投を見せた右サイド・坂本 皓一(3年)に代わり、庭田 恵地(3年)がマウンドに登る。庭田は投手としては小柄ながらもフォームの一連の流れがきれいな右のオーバーハンド。120キロ後半~130キロ前半。120キロ台の縦横のスライダ―を武器にする右投手だ。庭田はピンチを切り抜け、7回に突入する。
7回表から習志野はエースの古谷 拓郎(3年)が2番手として登板。古谷は手足が長く、すらっとした体型の右の本格派。古谷は右オーバーから繰り出す直球は常時130キロ前半~140キロを計測するストレートは、回転数が高く、切れも良い。変化球は120キロ前後のスライダー、100キロ前後のカーブを器用に投げ分け、打たせて取る投球を実践する右の好投手だ。古谷は7回、8回を0点に抑え、味方の援護を待った。
そして1対1で迎えた8回裏、習志野は3番柏木貞治(3年)の適時打で勝ち越すと、5番御園生 広羽(3年)の適時打、6番山下 賢人(3年)の適時打で4対1と点差を広げた。
9回表、習志野の古谷は一死を打ち取ったところで降板。3番手は右腕・飯塚 脩人(2年)が登板する。技巧派の佐藤、キレイなフォームで投げる古谷と違い、飯塚は力で押す速球派右腕。近年の習志野にはいないタイプの投手である。
右スリークォーターから投げ込む直球は常時136キロ~140キロを計測しており、速球の力強さはエースの古谷以上。さらに120キロ前後のフォークもある。これほどの投手がリリーフで控えているのだから習志野の投手層の厚さは恐るべしである。飯塚が後続を締めて、習志野が3回戦進出、夏のシード権を獲得した。
習志野の投手陣のレベルの高さは県内でもトップクラス。無失策の守備、そしてここぞで見せる集中打と、今年の習志野も強いと印象付ける試合であった。
(文・写真=河嶋宗一)