聖光学院vs広島国際学院
沖縄遠征最終戦で確認できたチームカラー
選手同士でハイタッチをする聖光学院の選手たち
沖縄遠征最終日、最終戦で聖光学院らしい野球をすることが出来た最良の交流試合となった。
まずは先発の上石 智也。130km前半のストレートに変化球、緩急を上手くコントロール。秋の県大会準優勝の広島国際学院4番柿原に先制の2ランを浴びたが、ここは問題では無かった。「秋の県大会も含めて殆どが打ち勝ってきたチーム。先制されて、この子たちがどのように同点、そして逆転していけるか。」この沖縄遠征で、斎藤監督がテーマにしていたひとつが最終戦にて形として現れた。
そして4回裏、聖光学院らしさで見事逆転する。四球の走者を置いて山本 迅が右中間を深々と破るタイムリー三塁打。そして田野 孔誠の当たりがレフトへの前に落ちる。本塁への送球の間に、打者走者の田野も二塁を陥れた。横堀 航平の当たりはサードゴロとなったが、相手の送球ミスを見逃すことなく、田野が二塁本塁へ快足を飛ばして生還した。粘りと強さと速さが凝縮した素晴らしい逆転劇だった。
8回、このままでは終われない広島国際学院に執念の同点とされた聖光学院。その裏、打席には頼れる主将矢吹 栄希。「インコース甘めのストレート。難しい左の球でしたが、前打席で一度見ているので。」広島国際学院のサイドハンドサウスポー横山の球に苦しめられた聖光学院だったが、すぐに修正出来る力がこのチームにはある。
矢吹の当たりは快音を残してライトスタンドへ。[stadium]嘉手納球場[/stadium]でなくても入っていたと思われる大きな当たり。追い付かれ、もしくは逆転された終盤のシーンで、相手を突き放す聖光学院野球の真髄を、ここ沖縄遠征最終日の最終戦で目にすることが出来た。
たくさんの強豪校が集う聖地甲子園。簡単にゲーム運びが出来るとはどのチームも思っていない。この遠征最終戦が、ナインの中で糧となり、甲子園でも不動心でのぞめることだろう。まずはベスト8の壁を突き破り超える。そして、悲願である紫紺の大旗の白河の関越えを果たす。聖光学院の挑戦が始まる。
(レポート=當山 雅通)